思春期になっても子どもが「本音」を話してくれる聞き方・話し方
「本当は欲しい」を聞き取る3つのスキル
お子さんの欲求を正しく理解する心理学のスキルがあります。ざっくりになりますが、ポイントをお伝えします。 ① 話をちゃんと聞く ② 欲求をちゃんと聞く ③ 気持ちを理解したことを伝え返す ことです。一つずつ説明しますね。
①話をちゃんと聞く
あなたのお子さんが、お友だちが家族でハワイに行った話をした時に、お子さんはその話の何かが印象に残ったからこそ、あなたに話をしていると思って、ちゃんと話を聞いてあげてください。 あなたの興味ではなくお子さんの興味に耳を傾けるということです。 先ほどの図式を思い出してください。あなたの興味が「ハワイに行きたい」であったとしたら、お子さんから何を聞いても「子どもはハワイに行きたいと言っている」としか聞こえてきません。
②欲求をちゃんと聞く
お子さんの気持ちの質問をするのです。 「それを聞いて、どう思ったの?」 あなたのお子さんが、お友だちから話を聞いた時に何を思ったのかを言語化できるようにお子さんから聞いてあげるのです。
③気持ちを理解したことを伝え返す
お子さんの気持ちはちゃんとわかったということを伝え返すことで、「気持ちを伝えていいんだ」ということを子どもは学びます。 小さい時からいい親子関係の構築ができていれば、子どもが思春期になった時に「心」のシャッターを下ろすことはありません。 親は急に反抗期が来たと思うようですが、小さい時からの親子関係の積み重ねが顕在化しただけなのです。 お子さんの話をちゃんと聞いてあげると、お子さんは、ハワイに行きたいということではなく、案外、仲のよい幸せそうな家族の様子がうらやましいということである かもしれません。もし、そうだとすると、家族の中でお子さんがどんな立場にいるのかをよく見てあげることができます。 「心」に寄り添ってあげることができますよね。少なくとも、子どもは「ハワイに行きたい」ということを伝えたかったわけではないことを親が理解できます。 そうすると、目的は費用を貯めてハワイに行くことではなく、お子さんの心の欲求を満たしてあげることになります。 同時に、お子さんは、お母さんがわかってくれたことに安心し、「私の気持ちを尊重してくれた」という尊重欲求を満たされるのです。 お子さんが本当に伝えたい心の声と、親が聞きたいことのギャップが「欲求不満」を生んでしまいます。 あなたは、お子さんが何を伝えたいのか、「本当は欲しい」と思っている「心」の声を聞き取ってあげるだけでいいのです。 これがお子さんの心に寄り添ってあげられるということです。
山下エミリ