思春期になっても子どもが「本音」を話してくれる聞き方・話し方
思春期の入口は10歳頃ともいわれます。親との口数も減り、親への反発を見せるなど親子のコミュニケーションが難しくなってくる時期。こういった時期には子どもとどう関わり、本当の欲求にどうやって触れるべきでしょうか? 【マンガ】「思春期の「朝、起きられない」はSOSサイン? 不登校を引き起こす起立性調節障害」 育児・教育に悩むの多くの親をカウンセリングしてきた公認心理師の山下エミリさんは、心理学とワークを通して欲求を読み解き、その心に寄り添った子育てを説いています。 本記事では、山下エミリさんの著書より、思春期の子との関わりと子どもの欲求を聞き取るスキルを伝える一節を紹介します。 ※本稿は山下エミリ著『お母さんには言えない子どもの「本当は欲しい」がわかる本』(青春出版社)より一部抜粋・編集したものです
思春期こそ「親のサポート」が必要です
今、お子さんが無気力な状態だったり、「でも、どうせ、だって」が口癖だったりして自信が持てない状態であったら、自尊欲求が満たされていないかもしれません。 こんな時こそ、お母さんのサポートが功を奏します。 特に思春期の成長には、親から離れる恐れや不安がつきまといます。そのため成長しつつある子どもは、親からのサポートを必要としているのです。 あなたがお子さんの心を理解することで、お子さんの「心」を健康に成長させてあげる適切なサポートが可能になります。 一方で親が子どもの「心」の成長を妨げるような関わりをしていると、本来は成長に向かうはずの子どもは、親の意向に沿うために、「成長しないこと」にしがみついている状態です。 他からの助けがなければ、あえて怖い成長に踏み切ろうとしません。それなのに、親自身が子どもを「成長しないこと」に縛りつけていることに気づかず、「そのうち時期がくれば治るだろうと」と放置していては、いつまでたっても子どもはそこから動けないのです。 このことについて今からお伝えするマズローの言葉は、もしかしたら、とても厳しい言葉に聞こえるかもしれません。でも、後悔しないために「早く気づいてほしい」という愛ある助言と捉えていただけたらと思います。 「私たちは子どもが大人になるまで待ち続けて、ついに心が病み、自立できなくなってから、子育ての間違いを証明するか、子どもの心に寄り添って自立する子に育てるか、そのどちらも選べるのです。」 この言葉は、脅しのようにも聞こえるかもしれません。でも、私も実際に後悔している人たちにたくさん出会っています。子どもはあっという間に大きくなります。だから、早く軌道修正をしてほしいと心から願っています。 でも、どちらを選ぶのかは、あなたが決めることなのです。では、どうしたらお子さんの尊重欲求が満たされるのでしょうか? それはとてもシンプル!お母さんがお子さんの欲求に気づいて、お子さんの欲求を満たしてあげることができればいいのです。