新しい植物を植えたらよく観察して、一度枯れてもあきらめない
園芸好きの間で話題の、神奈川県愛川町の服部牧場にある宿根草ガーデン。背景には丹沢の山々が連なり、ガーデンの植物たちを眺めながら深まりゆく秋を堪能できる贅沢な空間です。『趣味の園芸』で連載中の「日本一美しい 牧場の宿根草ガーデン」、11月号より一部を抜粋してお届け。
よく観察して、一度枯れてもあきらめない
秋は新しい植物を庭に植える方も多いでしょう。ガーデナーの平栗智子さんはガーデンづくりを始めたころ、同じ種類でもさまざまな品種を植えて、それぞれの特徴を観察してきました。 「例えばアスチルベは数年かけて、気がつけば30種類以上は試しました。同じ種類でも品種によって、開花期はもちろん、花の咲き方や花茎の色などに違いがあり、それが植栽を考えるヒントになります。 花のリレーが続くように開花期が異なるものを組み合わせたり、枝垂れて咲く品種はアクセントにしたりなど。草丈や株張りなどは、環境によって異なるので実際にガーデンに植えて確認しています。 また、品種や日照条件によって切り戻しや花がら摘みなど、手のかかり具合は異なることも。手間のバランスも考えて植物を選ぶとガーデンは管理しやすくなります。 もし植えた植物が枯れてしまったら、場所を変えると育つことも。生産者さんが苗を育てる用土と牧場ガーデンの土壌との相性なのかもしれませんが、同じ品種でも生産者さんによって育ち具合が変わる場合もあります」 気に入った品種なら、1回枯らしてしまってもあきらめず、いろいろ試してみるとうまくいくかもしれません。トライ&エラーの繰り返しも園芸の楽しみの一つですから。 11月号では平栗さんが選んだすてきな宿根草を紹介しています。ナチュラリスティックに移り変わる四季折々の宿根草と庭づくりのヒントを、誌面でお楽しみください。 ●連載「日本一美しい 牧場の宿根草ガーデン」 神奈川県・服部牧場のガーデン。ナチュラリスティックに移り変わる四季折々の宿根草と庭づくりのヒントを、ガーデナーの平栗智子さんに案内していただきます。 平栗智子(ひらくり・ともこ) ガーデナー 園芸店でサンプルガーデンや宿根草の仕入れを担当し、ガーデンボランティアで経験を積む。2015年秋から神奈川県愛川町にある服部牧場内の宿根草ガーデンのデザインや管理を手がけている。 服部牧場(神奈川県愛甲郡愛川町半原6087) *牧場は入場無料。 『趣味の園芸』2024年11月号 日本一美しい 牧場の宿根草ガーデン「第8回 新しい植物を迎えたら」より