EUが地熱エネ推進へ始動 脱ロシア依存で来週新戦略承認=草案
Kate Abnett [ブリュッセル 9日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟27カ国は、来週ブリュッセルで行われるエネルギー相会合で初めて地熱エネルギー推進の方針を承認する予定であることが、ロイターが閲覧した草案で分かった。EUはロシア産ガスの代替とエネルギー価格引き下げを模索しており、プロジェクトを軌道に乗せるEU全体の計画策定を欧州委員会に要請するとみられている。 草案は、冷暖房システムからの排出削減に向けた戦略と、地熱プロジェクトを加速する具体的な措置を求めている。措置の内容として、投資リスク軽減のための財政保証や許可規則の簡素化などが提案されるという。 産業・家庭向けのエネルギー価格高騰と、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来ロシア産ガスの大部分を失なったことで、欧州諸国は再生可能エネルギーの拡大を加速させている。ただ、風力・太陽光発電の容量が急増する一方で、地熱エネルギーはなお高額な初期投資コストと複雑な規制のためにはるかに規模が小さい。 大半のEU加盟国は既に地域単位の地熱暖房システムを導入しているが、発電に地熱を使用しているのはフランス、ドイツ、イタリアなど少数にとどまっている。