50歳ビキニ選手が「ムキムキ」ボディで魅了 「同世代の女性にもう一度輝いてほしい」
「筋トレをずっと好きでいたいので、義務感になってしまわないよう部位ごとにトレーニングする日は決めずに、自分の身体と相談しながら楽しく続けています。ただ今回は、特に下半身がしっかりと鍛え上げられた身体が評価されるカテゴリなので、コンテスト前は嫌というほど下半身のトレーニングをしました。少し義務感を感じていたかもしれませんね(笑)」 【写真】四十物きく恵さんのエイジレス筋肉ボディ 11月4日(月/祝)に千葉・市川市文化会館で開催されたマッスルゲート関東大会。今シーズン新設されたウーマンズウェルネスで2位に輝いたのは四十物きく恵(あいもの・きくえ/50)さん。
今大会に向けて、約1年をかけて作り上げた自分史上最高の身体。しかし、初のマッスルゲートでの結果は惜しくも2位。悔しさを滲ませながらも、すでに来年に向けて準備を始めているという四十物さん。 「自分の仕上がりは過去最高でしたが、審査員が求める身体ではなかったので、認識のズレを埋めることができたと感じています。12月のジャパンカップまでに身体を作り直して再度審査をしてもらい、来年からのJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)大会挑戦に備えたいと思います」 40歳を過ぎてから筋トレを始めた四十物さん。出産後は全く運動をしていなかったため、何か始めたいと思いながらも、いつもサボりがちになっていたそう。 そんなときに出会ったパーソナルトレーニングが、四十物さんの運命を変えることになった。 「できなかったことができるようになる達成感や、重量や回数など、成長が単純に目に見える筋トレが私にはとてもハマり、なんとなく自信が持てなかったはずの自分がメンタルまで前向きになりました。褒められたり挑戦したりすることが大人になると少なくなると思いますが、当時の自分にはそれが必要だったのだと今になって強く思います」 現役パーソナルトレーナーとしても活躍する四十物さんは、コンテストを通して同世代の女性に元気を分けたいと話す。パーソナルトレーニングセッションでも、自分自身が変われた過去の経験を生かしながら指導に励んでいる。 会社や働き方が今よりも寛容でなかった昭和の時代。仕事に家庭、育児に24時間を捧げたと言っても過言ではない世の中の女性に、もう一度輝いてほしいと願っている。 「私もやっと娘が手を離れて、自分の好きなことができる時間を作ることができています。人は何歳からでも変われるということを自分自身が体現し、輝く女性が一人でも増えてくれるようにステージから発信し続けていきたいと思います」
【マッスルゲートアンチドーピング活動】 マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材・文:林健太 撮影:中島康介