もったいない!…設備メーカーに勤める55歳“普通の”サラリーマン「嘱託勤務」の予定が一転、「高い給与で」転職に成功したワケ【人材開発コンサルタントが解説】
同じ会社に長く勤めてきたミドル・シニア世代にとって、「この年齢から新たに職を探すなんて遅い」と諦めている人も多いのではないでしょうか。しかし、この世代には「勤続」してきたからこその強みがあると『55歳からのリアルな働き方』(かんき出版)著者で人材開発コンサルタントの田原祐子氏はいいます。設備メーカー技術者のYさん(55歳)の事例をもとに、ミドル・シニア世代ならではの強みをみていきましょう。
ミドル・シニア世代に蓄積されている、「深化・進化」した知識
「座学知」と「経験知」はまったく異なる まず、何よりも先にお伝えしたいのは、あなたが長年仕事をしながら蓄積してきた知識は、仕事の経験がなく座学で学ぶ知識や、新入社員が入社したてのころに学ぶ知識とは、内容・質・量・深さといった有用性が、まったく異なるということです。 たとえば、自動車販売の田村さん(仮名)の場合、同じ自動車に関する知識であっても、実際にお客様に説明したり、運転しながらお話しする内容は、決して座学では得られないレベルのものでしょう。お客様との会話や営業、アフターフォロー等、「経験を通じて」得られる知識に違いありません。 少し細かい定義で恐縮ですが、英語の「ナレッジ」を日本語にすると、「ナレッジ=知識」と翻訳されてしまいます。 一方で、英語におけるKnowledgeの本来の意味は、文字通り「経験を通じて得られる知識」です。 あなたには、さまざまな専門領域の知識だけでなく、専門分野に関連するさまざまな領域の知識、汎用的な知識も蓄積されています。 上の図は、長年の経験や実践の蓄積があるからこそ、一般的な知識でない、生きた貴重な知識「経験知・暗黙知」が蓄積されている様子を表したものです。 この図は、今後、あなたの仕事の対象となる領域を広げ、ご自分でも「思わぬ新しい才能を開花させるヒント」となる貴重なものです。ぜひ、ご自身の知識を細かく棚卸しするための助けにしてみてください。