メッシ見る最後の機会?空席が目立った国立はプロモーション不足が原因か
アルゼンチン代表リオネル・メッシが、在籍する米国メジャーリーグサッカー(MLS)のインテル・マイアミの一員として来日した。2月7日に行われたヴィッセル神戸との親善試合では、約30分間だけにとどまったものの、“スーパースター”メッシのプレーに東京・国立競技場の観客たちは酔いしれた。2022年7月以来の来日で、日本のファンを楽しませてくれた一方で、直前の香港での親善試合不出場騒動が尾を引くなど、36歳のスーパースターが現役選手として日本でプレーする最後の機会だったかもしれない割には、観客は2万8614人と空席が目立つ寂しいものだった。週の半ばである水曜日のナイトゲーム開催、さらには直前の大雪など、いくつかの要因が考えられるが、プロモーションの遅れもその一つかもしれない。
寒い試合内容を一変させたメッシ
ヴィッセル神戸との試合は、防寒着を着ていても体が震える寒さの中で行われた。ベンチスタートだったメッシが登場しなかった前半、インテル・マイアミはサウジアラビアで2試合、香港で1試合をこなして疲れが出ていたのか、試合内容もお寒いものだった。 点取り屋の元ウルグアイ代表FWルイス・スアレスはほとんど見せ場なく、FCバルセロナでメッシと共に黄金期を築いた元スペイン代表MFセルヒオ・ブスケッツは、神戸の大迫勇也との接触でわずか前半19分で負傷交代すると、神戸の堅い守備にあったインテル・マイアミのサッカーはますますつまらないものになっていった。 神戸がチャンスを作り、スタジアムが沸くシーンはいくつかあったが、大きく盛り上がる場面といえば、大型モニターにベンチに座るメッシが映し出された時くらい。時折子供の声と思われるメッシコールが起こっていたが大きなムーブメントにはならず、観戦者らには寒さが身に沁みる前半だった。 しかし、そんな寒さに震える観客たちを温めてくれたのがメッシだった。後半15分にメッシが途中出場すると、一瞬にして国立競技場のボルテージがヒートアップ。そして、メッシは絶妙なパス交換や巧みなステップ、惜しいシュートなど、わずか30分の間に次々とチャンスを演出し、観客を楽しませてくれた。試合は0対0と両者得点を奪うことなく終了し、PK戦の末に神戸が勝利したものの、メッシ見たさに国立競技場に足を運んだファンにとっては十分満足だったといえる。とはいえ、やはり大きく目立った空席は、メッシに釣り合わない光景ではあった。