メッシ見る最後の機会?空席が目立った国立はプロモーション不足が原因か
前日の公開練習も寂しいものに
試合前日の2月6日には、高額チケットの購入特典として、インテル・マイアミの公開練習の見学ができた。「スペシャル エクスペリエンス チケット」と銘打ち、下は10万円から上は300万円と段階的な金額設定がなされており、高額ほど様々な豪華特典がついていた。中でも、メッシと直接触れ合うことが確約された300万円のチケットは早々と完売していた。練習見学と試合当日のラウンジ利用の特典があった10万円のチケットも売れていたが、千葉のJFA夢フィールドでの前日練習を訪れていたファンの数は、ピッチサイドにいたわずか40~50人ほど。メッシやスアレスなど、超一流の選手たちがピッチに登場して間近で練習する姿を見られる貴重な場であったが、なんとも悲しい現実だった。そんな寂しい風景に「チケット購入者の数からすると本来あそこがびっしり埋まっていたはずなんですが…」と、担当者は首を傾げていた。 ちなみに、香港でのインテル・マイアミの公開練習(2月3日)は580香港ドル(約1万1千円)や780香港ドル(約1万5千円)などで売られ、収容人数4万人の香港大球場は観客で溢れかえっていた。
ツアーを仕切っていたのはあのイニエスタの会社
香港で行われた2月3日の公開練習では、観衆から大歓迎されたインテル・マイアミ。ただ、2月4日の試合では、コンディション不良を理由にメッシは出場しなかった。試合のチケットが高額だったこともあって、4万人の大観衆が怒り爆発し、ベッカムによる場内挨拶ではスタジアムに集まった観客から大ブーイングが浴びせられた。さらには、香港だけでなく中国本土の人々の怒りも大爆発。SNS上ではメッシに対する罵詈雑言が飛び交い、さらにはメッシのサイン入りユニフォームを破り捨てたり、プロモーション用と思われるメッシの看板に蹴りを入れたりする動画がSNSで拡散されるほどだった。 結果的に、香港で試合を企画したタトラー・アジアは、試合のために申請していた1600万香港ドル(約3億円)の補助金の申請を取り下げる羽目になってしまった。さらには、中国で行われる予定だったアルゼンチン代表の親善試合2試合が、メッシ欠場の“報復”で中止になった。 日本でのインテル・マイアミとヴィッセル神戸の一戦は、FCバルセロナ、ヴィッセル神戸でプレーした元スペイン代表アンドレス・イニエスタが共同創業した会社「NSN(Never Say Never)」が担当した。イニエスタとメッシとの関係を思えば、最初からNSNに決まっていたかというと、そうでもなかったという話もある。ただ、NSNが過去に日本で行った大型サッカーイベントの実績といえば、昨年6月8日に開催されたヴィッセル神戸対FCバルセロナの一戦くらいだろう。実績面での乏しさもあったのか、今回のイベントでは大手広告代理店がNSNを支援していた。プロモーションが思うように進んでいなかったことについて、現場にいた大手広告代理店の担当者にたずねると「話すのは難しい…」と何らかの理由で進めづらかったことを感じさせた。もしかしたら、インテル・マイアミやNSN側との連携に苦労したのかもれない。