メッシ見る最後の機会?空席が目立った国立はプロモーション不足が原因か
オーナーのベッカムがドタキャン
他にも興味深いシーンに出くわした。2月6日の来日記者会見でのこと。当初、メッシやセルヒオ・ブスケッツ、ジョルディ・アルバ、ルイス・スアレスの元バルセロナ時代の同僚4選手に加え、ヘラルド・マルティーノ監督、さらには現役時代は元イングランド代表の世界的人気選手であり、現在はインテル・マイアミの共同オーナーを務めるデビッド・ベッカム氏の6人が登壇予定だった。ところが、会見予定10分前になって急遽メッシ以外の5人が出席キャンセルとなったことが報道関係者に伝えられた。特にベッカムは会見をドタキャンしたにも関わらず、同日にカタールで行われたアジアカップ準決勝「ヨルダン対韓国」を現地観戦している姿が試合中継で映し出されており、香港での騒動についてメディアに質問されることを恐れてドタキャンしたのでは、とも憶測された。のちにイベント関係者に話を伺うと、「ベッカムはそもそも来日すらしていなかった」とのことだった。 香港での事態を考えれば、メッシだけでなくチームオーナーであるベッカムも東京での来日記者会見に立ち、しっかりとオープンな場でクラブとしての表明を行うべきだったはずだが、結果的にはメッシ1人だけが登壇。海外メディア東京支局の記者から香港の件について問われたメッシは「運が悪かった。内転筋をMRI検査して怪我ではなかったが違和感があった。プレーしたかったけど、残念ながら難しかった。香港で楽しみにしてもらっていたので、何らか機会を設けて今度こそ香港で出場したい」と答えていたが、メッシ1人で矢面に立つことになっていて気の毒ではあった。
ただ、メッシがどんなコメントをしようとも、香港や中国では火に油で、翌日の試合で途中出場すると、すぐさま中国のSNS上で大きな話題となり、一時はメッシ関連のキーワードがランキング上位を占めるほどだった。 さらに、筆者が目撃した興味深いことといえば、来日記者会見で香港の試合不出場の質問が飛び出した時のこと。会見場の横に立つNSNかインテル・マイアミの関係者と思われる人物が、何かを悔やんでる様子で壁に頭を当てていた。香港の件についての質問が飛んだからなのかは不明だが、会場での主催者側の人間の会見中の振る舞いとしては奇妙に映った。また、その直後に司会者がうっかり質疑応答を進めようとしたところ、会場の後方から「もう終わりだよ!」と怒号が飛び、会場内が一瞬凍りついた。会見終了後、しばらくするとNSNのスタッフ一団が集まって円になり、その中心でジュエル・ボラス社長が檄を飛ばしており、表情は険しかった。