日本一有名な断崖絶壁! 福井「東尋坊」:荒波と柱状節理が生み出した奇岩の景勝地
悪僧の名を冠した夕日の名所
海から見える奇岩にはそれぞれ名称が付いており、船頭さんが教えてくれる。「ライオン岩」や「ろうそく岩」、「六枚屏風(びょうぶ)岩」などに加え、最近見つかったのが隠れ恐竜の愛称「ティラ坊」だ。恐竜化石の発掘で日本一を誇り、「恐竜王国」を名乗る福井県が推す新名所で、発見から4年ほどで東尋坊の注目スポットとなった。 遊覧船は波の穏やかな日には、大池の奥まで入って行くので、巨大な柱状節理を間近に眺められる。
東尋坊は、かつて平泉寺(福井県勝山市)にいた僧の名に由来すると伝わる。悪事を繰り返す、怪力の乱暴者だったという。ある時、東尋坊と恋敵になった僧が海辺見物に誘い出し、眺望の良い崖の上で酒盛りを催す。どんどん酒をすすめられた東尋坊は寝込んでしまい、海に突き落とされたのだった。現代のサスペンスドラマさながらの事件で殺された悪僧の名が、北陸屈指の景勝地として知れ渡っているのは複雑である。 北陸新幹線は金沢-敦賀間の延伸で、東尋坊行きのバスがある「芦原(あわら)温泉」駅にも停車するようになった。東尋坊は夕陽百選にも入る名所なので、日没前に訪れて絶景を眺め、夜は温泉宿で海の幸や湯を堪能する人が増えそうだ。
東尋坊
・所在地:福井県坂井市三国町安島64-1 ・アクセス:JR「芦原温泉」駅から京福バス「東尋坊行き」で約45分、えちぜん鉄道「三国」駅から京福バス「東尋坊行き」で約15分、北陸自動車道金津ICから車で約15分 ・東尋坊観光遊覧船:営業時間=午前9時~午後4時、冬季(11月~3月)は午前9時~午後3時30分 定休日=水曜日 料金=中学生以上1800円、小学生900円
取材・文・写真=ニッポンドットコム編集部