女性に来てもらえる神社に 栃木県佐野市唐沢山神社宮司 佐野由希子さん 令和人国記
■感謝の気持ち忘れず
まずはみんなが来て写真を撮りたいような風景を作りたいと。6月は手水に花を浮かべ、7月から8月は涼を感じてもらおうと社務所前に地元の天明鋳物でつくった、たくさんの風鈴を飾りました。また、御朱印も増やし、インスタ映えするようカラフルに。今思うと父を喜ばせたいという気持ちもあったと思います。
そんな父も今年3月に他界し、跡を継いで宮司になりました。任命されるまでは女性だから、年齢や経験が足りないと、周囲が心配していましたが、正式に決まると、みんなが喜んでくれ、本当にうれしかったです。ただ、一気に責任が重くなり、大丈夫かなと不安もありました。
唐沢山神社はお城の中の神社。難攻不落の城で落ちないことにかけ、勝利の神様として商売や合格祈願などで親しんでいただいています。これまで神社を支えてくださった方々に恥ずかしくないように感謝の気持ちを忘れず背中を正し、多くの方々が誇りに思ってくれる神社となるよう頑張っていきたいと思います。(聞き手 伊沢利幸)
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さの・ゆきこ 昭和48年、栃木県佐野市出身。青山学院大を卒業後、神職の資格を取得するとともに、富山テレビ放送に入社し、アナウンサーとして活躍。退社後はフリーのアナウンサーを続けたが、約10年前に佐野市に戻り、唐沢山神社の禰宜(ねぎ)となり宮司だった父親を補佐した。今年7月に宮司に任命された。