イランに渦巻く「ハメネイ体制」への怒り|この週末に読みたい海外メディア6本|2022.09.24-09.30
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今週もお疲れ様でした。イギリスではトラス新政権が減税を柱とする経済対策を発表してポンドが急落、激震が走りました。中東イランではヒジャブ着用をめぐる女性の死をきっかけにデモが拡大し、イスラム最高指導者ハメネイ師を頂点とする政教一致体制の正統性が揺らいでいます。フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事6本、皆様もよろしければご一緒に。 ……というのは、 前回のTips で紹介した英「エコノミスト」紙の9月21日付の記事 「米国が利上げすれば他の国々が痛みを負う」 の一節。そして“予言”は的中した。9月23日にポンドは急落を始め、27日には一時、1ポンド=1ドルのパリティを割り込む寸前まで落ちた。 そのマグニチュードは、発足したばかりの リズ・トラス政権 が早くも揺らぐほど大きい。エコノミスト紙は9月28日付で 「国家運営に不適切な方法」 と題して、トラス首相とクワシ・クワーテン財務相による、財政面での裏づけの薄い景気刺激策やインフレ対策を酷評。「新政権として、記憶のかぎり最悪のスタートを切ったリズ・トラスがいつまで首相の座にいられるか、すでに国民の間では疑問視されている」とし、政権の立て直し策として新たな財政ルールの発表の前倒しや所得税減税の中止、エネルギー生産者への課税強化などを提言しつつ、次のように突き放している。
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