「ゲイシャ」に「たこやき」、小惑星の名前は誰が付けるの?
はやぶさ2が目指す小惑星には、現在「1999 JU3」という仮符号が付いています。いずれ、イトカワのような名前が付けられると期待されますが、過去、小惑星に付けられた名前のなかには「ゲイシャ」「たこやき」なんていう変わった名前もあります。どうやって決まるのでしょうか? 小惑星に名前を付ける権利は発見者にあります。「1999 JU3」は、1999年にアメリカ・リンカーン研究所の観測プログラムLINEAR(Lincoln Near-Earth Asteroid Research、リニア)によって発見されました。小惑星のほとんどは、自動観測によりLINEARが大量に発見しているので命名が間に合っていません。 イトカワの場合も、命名の権利はこのグループにありました。符号は「1998 SF36」でしたが、「初代はやぶさ」を運用していた宇宙科学研究所がこのグループに「イトカワ」という名前を付けるよう依頼して、名前が認められたのです。ちなみに、イトカワは日本のロケット開発の父、故糸川英夫博士(1912~1999)の名前から命名されています。偶然なのか意図してか、糸川博士は大日本帝国陸軍の戦闘機「隼(はやぶさ)」の設計に携わっていました。 さて、命名ですが、ざっとこんなルールがあります。 (1)アルファベットで16文字以下 (2)政治や軍事に関係する名前は死後100年後 (3)ペットの名前はNG (4)特別な軌道にある天体は、命名に条件 (5)すでに天体に付けられている名前や似ている名前はNG (6)宣伝目的の名前はNG 「1999 JU3」もこのようなルールにしたがって名前が付けられるでしょう。 過去、小惑星に付けられた名前で変わったもののなかには「ゲイシャ」や「たこやき」などがあります。「たこやき」は、1991年11月に、北海道の箭内政之さん、渡辺和郎さんが発見。2001年に大阪で開かれた「宇宙ふれあい塾」で、事前に寄せられていた31個の案のうち、5つに絞り込んだ案のなかから、子どもたちの拍手が最も多かった「たこやき」を提案することに決まったのでした。 いずれにしても、提案された名前は国際天文学連合(IAU)で審査され、承認されることになります。 【THE PAGE特集】 小惑星探査機「はやぶさ2」打ち上げ生中継