3連覇狙う久光製薬が2015年快勝スタート ── バレー・Vプレミアリーグ女子
バレーボール・V・プレミアリーグの2015年が10日、ボディメーカーコロシアム(大阪市浪速区)などでスタート。リーグ3連覇を目指す久光製薬(サブホームタウン:兵庫県神戸市)が上尾を3-0で下し、今年の初戦を白星で飾り、首位に立った。
岩坂の速攻、石井、長岡の強打で抜け出しセット奪う
上尾は皇后杯の準々決勝で対戦し、0-2と苦しめられそこからかろうじて逆転勝ちした相手。この日も第1セット中盤まで15-15と両者譲らずの展開になったが、久光・中田久美監督や元全日本主将の上尾・荒木(絵里香)が「すごくよかった」と振り返った岩坂(名奈)の速攻や、石井(優希)、長岡(望悠)の強打で抜け出しセットを奪うと流れは久光に。リーグ1位の攻撃力に加え、世界選手権金メダリストのアメリカ代表ケリー・マーフィーを止めるなどラリー中や要所でブロックも出て、久光がリードを譲らず勝利した。 「皇后杯で苦しい試合をやった上尾と年明け一発目で対戦。心配はたくさんあったが、ストレートで勝ててよかった」と中田監督はホッとした表情。 年末年始も休み返上で練習しているチームがある中で、久光は、「しっかり休みなさい」(中田監督)と12月29日の午後から2日まで練習を休んだという。 「一つの区切りとして切りかえるところは切りかえて。家に帰ってしっかり親孝行して、新しい年を迎えてほしい」と思ったからだという。「休みの日に練習しているチームはあるけれど、久美さんは私たちを信じてくれているから休みをくれた。私は年末は高校の同級生と忘年会をしたり年始は家族と。不安な人は練習したり、一人ひとりが自分で考えて過ごせていたと思う」と石井。「休み明け、内容を変えることなく再開したが、それぞれいいコンディション作りをしてくれていた」と中田監督も。監督が望む「自立」はこういうところにもうかがえる。
サーブミスやコンビミスなどミスが多かったのが反省点
ただ、結果はストレート勝ちだったが、試合内容には満足していない。1LEGで1セットあたりの決定本数が全8チーム中6位だったブロックは岩坂を中心に復調を見せたが、サーブミスやコンビミスなどミスが多かったのが反省点と口を揃える。この日もサーブポイントは6点あったが、ミスが12点(全失点は18点)。 「サーブミスから流れが変わることがあるので、そこは反省。自分としては、私をサーブで狙ってくるので、1本目をきっちり(Aパスで)セッターに返すこと。きょうも直接失点というのはなかったけど、まだ……。スタメンで使ってもらえるようになって3年も経つのでもっとしっかりしないといけないと思っています」と石井は気を引き締める。 途中、ミドルブロッカーの水田(祐未)が指を負傷するアクシデントがあった。しかし、「もし水田がダメであっても、そういうアクシデントも含めて、穴を埋める練習をしてきているので大丈夫です」と中田監督。隣で石井も大きくうなずいた。代わりに入った森谷(史佳)(廃部のパイオニアから今季移籍)が遜色ない動きを見せた。誰が出ても変わらない戦力、久光が目指す強さだ。