写真：Impress Watch

ミズノはスポーツ業界で初めて、3Dプリンターで個人に合わせた専用の一体ソールを設計・製造する技術を開発。その技術を活用したパーソナルフィッティングシューズ「3D U-Fit」のオーダー受付をMIZUNO TOKYO(東京都千代田区)で2025年4月1日から開始する。価格は55,000円。 【この記事に関する別の画像を見る】 足幅が広いもしくは狭い、左右でサイズが異なるなどでシューズ選びに困っている人は多くいるものの、これまでの製造工程ではシューズの機能のほとんどを担うソールは個人に合わせて簡単に変えられないという技術的な制約があった。 これに対し、3D U-Fitは個人の足型を測定し、一体ソールをそのデータに合わせて作れるため、それぞれの足に合ったオリジナルのシューズを実現できる。 ミズノは3Dプリンターを用いて一体ソールを作る技術、および計測データに基づいて個人専用シューズを作る設計フローを完成させて商品化。ミッドソール、アウトソール、中敷きを一体にすることで、シームレスなフィット感を実現した。 ソールは独自の構造を持っており、足底の荷重分散による負荷軽減や、独特のクッション感を提供可能で、従来のフィット感とは一段違う、次世代のフィット感を提供できるとしている。この独自構造は日米で特許を取得済み。 購入手順は、まずMIZUNO TOKYOで足型を測定。個人の足を片足ずつ測り、足とシューズの専門家による診断を行なって、土台になるソールを一つ一つ設計する。その情報に個人の悩みや癖、好みなども加味し、自分専用のシューズが完成する。 アッパーカラーはホワイト、ブラックの2色、ソールはデザインが異なるType-AとType-Bの2種から選択できる。 最終確定した情報をミズノテクニクス山崎ランバード工場へ転送し、そのデータを基にシューズを製造。オーダー後約2週間で完成する。 サイズは22.0～29.0cm。素材はアッパーが合成繊維、ソールが合成樹脂。 今後は、脚の長さが違う人に向けたソールの厚さ調整や、体のバランスや個人の好みに応じたソールの硬度変更などもできるよう開発を進める。 そのほか、通常のシューズ作りと異なり、金型が不要で、また材料や在庫を大量に生産する必要がなく輸送費を削減できる。こういった特徴を活かし、大量生産、大量消費、大量廃棄から脱却し、環境にやさしい新たなシューズ作りのフロー確立を目指す。 ミズノは2022年11月に、研究開発のための特殊設備を1カ所に集約したイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」を設立。研究開発の基本となる「はかる」「つくる」「ためす」をスピーディに進めることを目指す施設で、3D U-FitもMIZUNO ENGINE起点で生み出された。 ミズノブランドアンバサダーの松岡修造さんは3D U-Fitについて、「足とシューズが一体になっているという感覚が一番強いです。自分の足の形に合った、まさに＜修造ウルトラフィット＞ですね。履いているんですけど、履いていないようで、シューズが僕の足になっている、自分の一部になっている感覚です」とコメントしている。