京都の西大路通に現れる謎の急カーブ 大木が通せんぼ 世にも恐ろしい「清盛伝説」とは
いつのころからか、「クスノキを守ったのは座敷わらしでは」といった声も聞かれるようになった。同神社では1年ほど前から、中村宮司の長男岳人禰宜(49)の発案で、座敷わらしの絵馬を扱うようになった。参拝者が、座敷わらしの顔を自分で描けるようにしており、幸せを願う老若男女が多数祈りを込めて描いていくという。少女漫画のような輝いた目をした座敷わらしなど、さまざまなタッチの絵馬が奉納され、境内を華やがせている。
足を運んだ11月上旬、多くの男女が入れ代わり立ち代わり、クスノキに手を合わせていた。眺めると、清盛の存在の大きさが伝わってくるようだ。時を経ても変わらない栄達や繁栄を願う心模様、見えざる存在や自然に畏怖する人間らしさ、京都のまちが刻んできた悠久の歴史が、中村宮司が言うところの「必然の曲がり」に垣間見えた。