激辛好きは「浮気体質」?辛いは「脳の錯覚」?辛いは良いのか悪いのか...医学博士が解説
辛いものは適量に
辛いものは食べ過ぎない方がいいのでしょうか? 吉田「そうなんです。胃に対する唐辛子のカプサイシンの作用はとてもユニークで、カプサイシンの量によって人体には真逆の作用が出ます。 カプサイシンが少ない量だと、逆に胃酸の分泌を抑えてくれて、さらに胃の粘膜の血液の量を増やす作用があるので、胃の粘膜を保護してくれる働きがあります。 夏に食欲がなくなる時があります。夏バテで胃の消化能力が低下してしまうためですが、それでも辛い食べ物だとおいしく食べられる時はありませんか?これはカプサイシンが胃を守ってくれる効果のためで、実際、南国の料理は辛いものが多いです。 ところが、カプサイシンの量が限界を超えると、胃酸は逆に増えてしまう。胃の粘膜にも傷を与える。量によって胃に対する効果は正反対になります」
辛さは痛み?
吉田「辛さはユニークです。甘い、苦い、すっぱい、しょっぱい、この4つは舌の味蕾という部分で感じ取っている感覚、味覚です」 このうち「辛い」は味覚で感じる感覚ではないという吉田先生。医学的には、痛みの神経が刺激されているのを脳が「辛い」と錯覚しているそうです。 吉田「カプサイシンの作用は身体を叩いているのと同じようなことが起きます。肩こりで肩を叩いて適度な痛みを与えると血行が良くなって肩こりが治ります。強く叩きすぎると筋肉が炎症を起こしてしまいます。 それと同じで、適当な量のカプサイシンだと血行が良くなって胃の粘膜を守ってくれるけど、多すぎると炎症を起こして胃炎とか胃潰瘍の原因になってしまいます。だから、辛いものが好きな人もそこそこの辛さに抑えておくことが胃の健康には大事です」
激辛好きの人は…
激辛料理が好きだという人もいますが、これはどうでしょう? 吉田「これにはアメリカのペンシルベニア州立大学の研究があります。激辛料理が好きな人は普段の生活でも刺激を求める性格の人が多い、というデータが出てきました。 辛い料理が大丈夫だという人も激辛料理までいくと脳が強い痛みとして認識していて、本来は不快に感じるはずです。にもかかわらず、激辛料理を食べたくなるということは脳が痛みを感じることを刺激として求めているからです」 こういうタイプは好奇心が強く、新しいことにチャレンジしたくなるという人が多いそう。自信が持てる長所はありますが、ただ刺激を求めて失敗することもあります。 吉田「特に注意して欲しいのは、車を運転する人はついついスピードを出して事故を起こしてしまうリスクが高いです。恋愛に対しても刺激を求める傾向があり、浮気をしやすいので、注意していただきたいです」 激辛系が好きな人と結婚する時は要注意だそうです。 (みず)