「私がモラハラ夫になった理由をすべてお話しします」妻の協力でモラハラを克服したアラフォー男の告白
妻への支配
妻は専業主婦です。つまり、我が家の家計は私の収入に依存しています。さらに、事業の経営と併せて家計のやり繰りも私が行っています。そのため、家具を購入するにしても車を購入するにしても、実質的な決定権を持っているのは私です。 経済DVこそありませんでしたが、こうした背景が我々夫婦のパワーバランスに影響していたであろう事実は否定できません。 確かに自分を養ってくれている人間に対し、厳しく指摘したり不満をぶつけたりするのは気が引けるものです。しかしその結果、私は言うなれば職権を乱用する汚職者のように、自分のポジションにあぐらをかいたまま増長し、妻を物理的にも精神的にも支配してしまったのでした。
離婚宣言
当時、私は毎朝8:45頃に家を出ていました。いつもは朝食を自分で用意するか、出社途中で調達して事務所で食べるなどしていました。しかしある日、私は唐突に妻に「朝食を作ってほしい」とオーダーしたのです。 当時2歳だった長男の育児を一身に負っていた妻は、朝からドタバタです。ところがそんなこともお構いなしに、私はなぜか妻に朝食の用意を依頼したのでした。 妻の反応もよくありませんでした。「はぁ?無理」と、私を突き放すような一言を吐き捨てたのです。この頃は私がモラ夫化してから既に数ヶ月が過ぎており、夫婦関係が悪化していたという事情もあります。 私はいよいよプツンときて、「金輪際もう何も頼まない。自分のことはすべて自分でやる。そっちも自分のことは自分でやれ。離婚も視野に入れておけよ」と言い捨て、玄関を出るなり玄関先にあった備品(ウォーターサーバーの交換用ボトルなど)を蹴り散らかして去ったのでした。 私の中で、もっとも印象的かつもっとも反省したモラハラ行為です。
もしかして自分もモラ夫かも……?モラ夫化する可能性は誰にでもある
筆者はどちらかというと体育会系の気質なので、必ずしも温厚なタイプではありません。とはいえ、弱い者いじめを心底嫌う人間でもあります。 それにもかかわらず、フィジカルで圧倒できてしまう相手に対しモラ夫化した自分自身に愕然としました。 性格や人格に問題があってモラ夫化するタイプももちろんいるでしょう。しかし、性格や人格ではなく「特定の条件」によりモラ夫化してしまうタイプの方が圧倒的に多いのではないかと、筆者は推測しています。だからこそモラハラ問題は、誰にとっても他人事ではありません。
前編記事では「モラハラ夫になるまでの全プロセス」をお伝えしました。続く後編記事では、「筆者がモラ夫を卒業できた3つの理由」についてお話しします。