“地方移住のリアル” 若手記者の仕事と家庭生活の両立は…
■調べると…遠くて意外に近かった木更津
東京駅から首都高を西に走り東京湾アクアラインを渡りきると、そこが千葉県木更津市だ。アウトレットやコストコなどの商業施設が増えたことで、近年は観光地としても人気だ。木更津市役所産業振興課によると、東京・神奈川からの転入者は、このところ毎年1000人を超えているという。 木更津金田バスターミナルから東京湾アクアラインを通って東京駅八重洲口まで、高速バスが出ている。その便数は予想以上に潤沢で、平日なら1日107便。朝7時台であれば3~4分ごとに1便出ていて、渋滞がなければ所要時間は40分程度とされている。逆の東京駅から木更津に向かう便数も同様で、東京駅発の最終便は平日なら午後11時と意外と遅くまであった。 とはいえ、東京湾アクアラインは渋滞や強風で通行止めとなることがある。通勤への不安は尽きない。
■決行!木更津生活のリアル
半年悩んで2023年12月、私たちは思い切って木更津に引っ越した。 賃貸アパートは木更津金田バスターミナルとJR内房線巌根駅の中間、いずれへも自転車で10分程の場所に選んだ。万が一、東京湾アクアライン渋滞との情報があれば、ただちにJR内房線に切り替えて出勤するためだ。 新たなアパートの間取りは、板橋時代と同じく2LDK。床面積もほぼ同じだが、家賃は7万5000円ほど安くなり、半分以下になった。一方で高速バスの定期代が会社から支給される通勤費を超えたため、月1万円程度、新たな自己負担が生じた。しかしそれを差し引いても、家計の負担は月々6万円以上軽くなる計算だ。 引っ越してまだ1か月弱。その間、通勤に高速バスを12日利用した。年の瀬も迫った2023年12月下旬の日曜日。その日は午後からの仕事だったのだが、事前にWEBでアクアラインの渋滞を察知したため、初めて内房線へ出勤ルートを切り替えた。高速バスより30分程度、会社まで余計に時間がかかった。 この日以外はすべて通勤に高速バスを利用した。このうち平日午後3時台の便で出勤した際は、東京駅まで1時間10分程度と、通常より30分余計にかかったことが2回あった。 こんなことがあるため、木更津からの通勤は、出社時間の2時間前には、道路状況の確認など準備が必要なことも分かってきた。