Z李も関与疑惑の「トクリュウ潰し」を高市早苗氏に“無茶ブリ”した「石破首相の思惑」
匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の実態解明
首輪をつけにいったのか――。 自民党はSNSを通じた闇バイト事件の頻発を受け、党政調の治安・テロ対策調査会を『治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会』に組織再編し、トップに高市早苗前経済安全保障担当相を充てる方向で調整に入った。高市氏は経済安保相時代にサイバーセキュリティー対策を担った経緯があり、適任と判断した。 【写真】パンクすぎる…! ドラムを叩く高市早苗氏「青春時代の貴重写真」 高市氏は、9月27日の自民党総裁選で石破茂首相と“総理のイス”を最後まで争った。総裁選後、党から「総務会長」のポストを打診されたが、これを固辞。石破首相と一定の距離を保ってきたが、今回の人事は 「断る大義名分を探すのが難しい。断れば『何様だ!』という意見も出てくる」(自民党関係者) と言われている。 新組織の役割は多岐にわたるが、期待されるのは秘匿性の高いSNSで不特定多数がつながり、実行役が入れ替わる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の実態解明や取り締まり強化だろう。高市氏自身も10月の衆院選公約で掲げていた。 11月14日には、Xフォロワー90万人超を抱える人気アカウント「Z李」の“中の人”が逮捕されていたことがわかった。警視庁暴力団対策課に住居侵入の疑いで逮捕されたのは、田記正規容疑者や沢口孝侑容疑者、RIZIN出場歴を持つ格闘家の宿輪(しくわ)幸治容疑者ら男5人。 田記容疑者らは’22年11月、東京・江戸川区内にある40代男性が暮らすマンションの一室に侵入。動機は盗まれたZ李メンバーのバイクを取り返すためで、1時間以上にわたり男性の家に居座ったという。 ◆警視庁が総力を挙げて 「2年前の事件をこのタイミングでやったのは、別の狙いがあります。田記容疑者のグループがトクリュウ絡みの事件に関わっているという情報があり、当局は2年前の住居侵入で身柄を確保し、ここから彼らのスマホ解析や関係先へのガサで“突き上げ捜査”を行いたいはずです」(警察関係者) Z李アカウントは複数人で運営されており、田記容疑者逮捕後も更新は続いている。 出版関係者によると 「近々、Z李に関する暴露本が出るという話もあります。Z李グループについて当局は『直の反社ではないが、近しい人物』という認識で、一連の闇バイト事件を首謀する反社組織の実態解明につながると踏んでいます」 という。 Z李の逮捕でかすんでしまったが、同時期には秋田市でも不正に入手した80代女性のキャッシュカードで、現金約150万円を引き出し盗んだ疑いで男が逮捕、送検された。この男は闇バイトの実行役とみられ、京都や香川、宮城など6府県で同様の犯行に及んだと供述している。 高知県でも11月14日夜に「トクリュウ」の一味とみられる16歳の少年と27歳の大学生を逮捕。中四国の店で偽のロレックスを売却し現金をだまし取る犯行を繰り返し、被害総額は3600万円にのぼる。県警は15日までに17人を逮捕しており、前出の2人が詐欺グループの中心的役割を担っていた。 「トクリュウ犯罪は一刻の猶予も許されない。それを高市さんの“剛腕”で壊滅できるか。彼女の真価が問われることになる」(永田町関係者) ネット上でも高市氏に期待する声がほとんどだが、自民党関係者は別の見方を披露する。 「石破首相が高市氏に首輪をつけにいったんだよ。先日、彼女の支持グループで会合を開いていたし、週刊誌では高市氏が『狼煙をあげる』とも書かれた。総選挙前より影響力は落ちているとはいえ、熱狂的な支持者は多く無視できない。トクリュウ問題は非常に複雑で、警視庁が総力を挙げても全容解明は不可能といわれている案件。犯罪が減れば政権の功績になるし、失敗すれば高市氏の“力量不足”ということになる」 高市氏は冷静に“無茶ブリ”をクリアすることができるか――。
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