トランプ再選後、アジア通貨は「中国人民元」が最も下落 ~アジア・マーケット動向の振り返り【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
三井住友DSアセットマネジメント株式会社が、「アジアリサーチセンター」のレポートを基に、中国を中心に2024年11月のアジア・マーケットを振り返ります。
アジア:マーケット動向
⇒【株式】まちまち、【通貨】下落、【債券】まちまち 【株式市場】 ◆シンガポールやオーストラリアなどが上昇する一方、フィリピンやインドネシアなどが下落 シンガポールは、良好な決算から大手銀行の株価が上昇し堅調。金融政策決定会合にて将来の利下げが示唆されたオーストラリアも上昇。インドは、新興財閥であるアダニ・グループを巡る混乱があったものの、西部マハラシュトラ州の州議会選挙で与党連合が勝利したことなどが好感された。一方、第3四半期の国内総生産(GDP)成長率が市場予想を下回ったフィリピンや追加利下げ観測が後退したインドネシアは軟調。香港は中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会が発表した地方政府の債務対策などが市場の期待を下回ったことが嫌気されたようだ。 【通貨(対米ドル)】 ◆下落 米選挙で大統領、上院、下院共に共和党の勝利、トリプルレッド主因で米ドル高となった格好、つられて多くのアジア通貨は対米ドルで下落した。トランプ次期政権による関税引き上げなど制裁への懸念などから中国人民元が最も下落した。 【債券(国債)市場】 ◆まちまち 国債利回りは2ヵ月連続で利下げが実施された韓国や、政策金利の据え置きが続くオーストラリア、マレーシア等で低下した。一方、インドネシアでは9月の利下げ実施後に通貨安定も意識され政策金利が2ヵ月連続で維持されるなか、10月に続き利回り上昇となった。 <※参照:各国の株価指数の名称> ●中国:上海/深圳CSI300指数、●香港:ハンセン指数、●韓国:韓国総合株価指数、●台湾:台湾加権指数、●インドネシア:ジャカルタ総合指数、●マレーシア:クアラルンプール総合指数、●タイ:SET指数、●ベトナム:ベトナムVN指数、●シンガポール:シンガポールST指数、●フィリピン:フィリピン総合指数、●インド:SENSEX指数、●オーストラリア:ASX200指数
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