焼結部品のダイヤメット、インドに新製造拠点。日系自動車関連市場を捕捉
焼結部品大手メーカーのダイヤメット(本社・新潟市東区、社長・伊井浩氏)は20日、インドに新製造拠点を開設すると発表した。同国で成長が見込まれる自動車関連などの市場を捕捉することが狙い。約11億円を投じてハリヤナ州マネサール工場を開設。オイルポンプロータを中心とした自動車部品などを製造する計画となっている。2026年4月から量産開始の予定で月間100トンの生産能力を確保する。新拠点はマレーシア・中国に次ぐ三つ目の海外拠点となる。 インドの自動車関連市場は人口増加や経済発展で成長が見込まれる状況。その対応に向け新製造拠点では、主に同国に立地する日系自動車会社・日系自動車部品会社などに製品を供給する方針。現地には競合も多いが「日系自動車メーカから期待される日本基準の品質への対応力で優位性がある」(同社)という。また南アジアに加え近隣地域の顧客への供給も強化したい考えだ。 工場は既存建屋を賃借する形で開設。敷地面積は1万573平方メートルで建築面積は7277平方メートルとなっている。人員体制は量産開始時で30人程度を予定し、その後需要に応じた増員を想定しているという。先進的な製造設備を導入する計画。単純形状製品は価格競争力を高めるべく高速生産を可能とするプレス設備を、また多段となる複雑形状製品はコンピュータ数値制御(CNC)技術を使用し粉末充填から圧縮、抜出までの位置を高精度で制御可能なプレス設備を想定している。 製造するオイルポンプロータは自動車用オイルポンプの基幹部品。エンジン潤滑用途や自動変速機の油圧発生用途、ハイブリッド車の変速機潤滑用途などに使用されるもの。また同社では電動車・産業機械関連分野の開拓にも注力しており、新拠点では将来的には電圧を高めるリアクトルと呼ばれる部品のコアや、次世代タイプであるアキシャルギャップ型モータのコアなどの製造も需要に応じて検討する考えだ。 新工場は今年12月設立予定の完全子会社が運営。新会社には営業機能も持たせる。新会社での販売金額は30年までに、現在マレーシア子会社からインド向けに販売している金額の10倍以上を目標としている。