利便性が高くパワフルな全輪駆動!フォルクスワーゲン「ID.BUZZ GTX」は大きな荷室のピュアEV“カーゴ”
■VWらしく利便性の高いパッケージング
私がドイツで試乗したID.BUZZ GTXロングホイールベースは、2列めに、アームレストのついたキャプテンシートを備えた6人乗り仕様。どの席も快適でした。 運転席はすっきりとした造形で、視界が広がる印象。2列めは前後スライド式で前に移動しても足元には余裕があります。3列めも先述したとおり、ちゃんと機能しています。後席アクセス用の電動スライドドアも192mmに拡大していて乗降性にも優れています。 この利便性の高さは、さすがVW。そもそも、乗用車でもVWの製品はパッケージングにすぐれています。トランスポーターのID.BUZZではその力がいかんなく発揮されたといってもいいかもしれません。 GTXでは前後に搭載したモーターを86kWhと大容量バッテリーで駆動。トータル出力は250kW、最大トルクは580Nmとパワフルです。足まわりも締め上げられていて、操縦感覚はスポーティ。 赤とシルバーの塗り分けで、まさにウルトラマンを連想させましたが、ドイツでは知られてないし、そもそもそんな意図はなかったようです(当たり前?)。 でも、後輪駆動モデルと走りを比較すると、そのイメージはあながち間違っていないかも、と思わせられました。全長は5m近くありますが、発進から全速度域にわたって加速はするどく、バッテリー駆動車の面目躍如という感じであります。 GTXはスポーティなハンドリングを持つので、乗り心地もややかため。快適志向のひとなら、後輪駆動モデルがいいと思います。ロングホイールベース仕様でも、十分力強さを感じさせてくれました。 GTXロングホイールベースの一充電あたりの走行距離は発表されていません。2駆の標準モデルのロングホイールベース版は487kmとメーカーでは発表。今回の私の実体験からいうと、320~330kmといったかんじです。 私たちが止まったウォルフスブルグ駅前のホテルの地下駐車場にはBEV用の急速充電器がずらりと並んでいて、たいへん使い勝手が良かった。個体ごとに相性があるようで、充電できないものもありました。このあたりフシギ。 ID.BUZZシリーズは、2025年上半期から日本導入される予定だそう。ただし具体的なモデルと、価格は未発表。キャンプのよき相棒になってくれそうです。