沖縄の選挙ポスターにみる「勝利の戦略」 独特の文化も
6月16日投開票の県議会議員選挙は、最終盤の3日間に突入する。沖縄の選挙は立候補者の名前の一部を片仮名表記にすることで知られるが、今回も立候補者の個性あふれるポスターが各選挙区で公開されている。第一印象を決めるといわれる選挙ポスターは、色使いやデザインに候補者たちの勝利戦略がありそうだ。 【写真特集】沖縄選挙ポスターギャラリー2024 かつて沖縄の選挙ポスターは、背景は青、丸ゴシックで片仮名の名前は赤い文字が恒例だった。 本紙記者が調べたところ、今県議選の立候補者75人中50人が名前の文字を赤にしたり、文字の背景を赤にしたりしている。また、女性の立候補者は、ピンクを文字や背景、服などどこかに使う傾向もみられた。 選挙ポスターに片仮名を使用する立候補者が沖縄で多いのは、1972年の日本復帰前、読み書きが苦手な高齢者らが文字を書きやすいようにと、画数が少なく直線的な片仮名が好まれたことがきっかけとみられ、現在まで続く独特の選挙文化になっている。 今回も57・3%に相当する43人が姓名のどちらか、あるいは両方に片仮名を取り入れていた。いまだに根強く残る「選挙戦術」だが、近年は平仮名表記も目立つようになっている。今回の県議選で平仮名を使用したのは30人(40%)だった。
琉球新報社