中国四大草原の一つシリンゴル草原。中心のシリンホト市は撮影ツアーの名所
日本の3倍という広大な面積を占める内モンゴル自治区。その北に面し、同じモンゴル民族でつくるモンゴル国が独立国家であるのに対し、内モンゴル自治区は中国の統治下に置かれ、近年目覚しい経済発展を遂げています。しかし、その一方で、遊牧民としての生活や独自の文化、風土が失われてきているといいます。 内モンゴル出身で日本在住の写真家、アラタンホヤガさんはそうした故郷の姿を記録しようとシャッターを切り続けています。内モンゴルはどんなところで、どんな変化が起こっているのか。 アラタンホヤガさんの写真と文章で紹介していきます。
今まで、12回にわたって内モンゴルの遊牧文化や遊牧民の日常生活や環境問題などを紹介してきた。そのほとんどはシリンゴル盟に拠点を置きながら撮影してきた。風景も美しく、その名は全国に知られている。そして、その政治的、経済的中心地にあるのがシリンホト市だ。 シリンホト市は小山に囲まれた盆地に立地している。中国の四大草原の一つと言われるシリンゴル草原の中心にあり、シリンゴル川の河畔に位置する。昔から観光地として知られていた。 北京からは、車でも6~8時間で来ることができることから、特に夏になると観光客で賑わうようになった。さらに近年は、モンゴルのナーダムや相撲、競馬を売りにしていて、観光客だけではなく、写真好きなアマチュアカメラマンにとっても、大変有名な撮影ツアーの名所となっている。大きなイベントの場合には、アマチュアカメラマンが1000人以上集まることもある。(つづく) ※この記事は「【写真特集】故郷内モンゴル 消えゆく遊牧文化を撮る―アラタンホヤガ第13回」の一部を抜粋しました。
---------- アラタンホヤガ(ALATENGHUYIGA) 1977年 内モンゴル生まれ 2001年 来日 2013年 日本写真芸術専門学校卒業 国内では『草原に生きるー内モンゴル・遊牧民の今日』、『遊牧民の肖像』と題した個展や写真雑誌で活動。中国少数民族写真家受賞作品展など中国でも作品を発表している。 主な受賞:2013年度三木淳賞奨励賞、同フォトプレミオ入賞、2015年第1回中国少数民族写真家賞入賞、2017年第2回中国少数民族写真家賞入賞など。