“空爆”続く 難民キャンプのモスクも… 地上侵攻「すぐにやってくる」イスラエル軍が攻撃強化を発表
人道危機が深刻化しているパレスチナ自治区ガザ地区に支援物資を積んだトラックが2日連続で入りました。一方で、イギリスBBCはイスラエル国防相の話として地上侵攻は「すぐにやってくる」と伝えていて、状況は緊迫の一途をたどっています。 ◇ 22日、エジプトとガザ地区の境界にある「ラファ検問所」から、支援物資をガザ地区に運び込むトラックが2日連続で入りました。トラック十数台分の貴重な物資ですが、国連は、1日あたりトラック100台分の支援が必要だとしています。 ただ、支援が進むなかでも、イスラエル軍の“報復の空爆”はやむことがありません。 ガザ地区にある病院のすぐ近くにも空爆は落ちています。難民キャンプにあるモスクも攻撃の対象になっています。イスラエル軍は、モスクや幼稚園などの近くにイスラム組織「ハマス」の攻撃拠点があると主張しているのです。 ガザ地区南部では22日、空爆で亡くなった家族7人の葬儀が行われていました。パレスチナ保健省によると、ガザ地区の死者は、4651人に上っています。 ◇ 一方のイスラエルでも22日、ハマスの手で殺された人々が弔われました。 ハマスに隣人を殺害された参列者 「彼らは家から家へと移動し、誘拐・殺害・焼き打ちなどやりたい放題だった。すべての葬式に出ることはできない。どこもかしこも墓だらけで、みんな死んでいる」 ハマスに捕らえられた人質の解放を求めて、抗議の声が広がり続けています。 NNNテルアビブ・橋本雅之記者(イスラエル・テルアビブ、22日) 「大統領公邸の前には、こうして非常に多くの支持者が集まり、人質の一刻も早い解放を訴えています」 今月7日、ハマスの襲撃を受け、多くの人が拉致された音楽フェス。その場所にいた23歳の息子を人質に取られた父親が、悲痛な思いを訴えました。息子は、左腕を切断されたといいます。 父親(エルサレム、22日) 「彼は左利きでした。息子は1時間半もの間、激しい銃撃と手りゅう弾にさらされ、親友のひとりが殺され、その他大勢が殺されるのを見てきました」 イスラエル軍によると、ガザ地区に捕らえられた人質は222人いるといいます。 イスラエル軍は、「次の段階に備えて、ガザ地区への攻撃を強化する」と発表しています。BBCによると、イスラエル国防相は、地上侵攻について「すぐにやってくる」と話したということです。