【札幌記念】「中山芝GⅠの連対馬」は複回収率142% データで導く穴馬候補3頭
データで見る「穴候補3頭」
今週末は札幌記念が行われる。1着7000万円の高額賞金と比較的涼しい開催地、そして定量戦という条件が相まって、毎年のようにGⅠ級の好メンバーが集結するレースだ。夏競馬最大の呼び物といって差し支えない。 【札幌記念2024 推奨馬】勝率50%&複勝率100%の鉄板データを持つ!実力は日本トップレベル SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 少数精鋭の今年は連覇を狙うプログノーシスが抜けた人気になりそうだが、ほかの各馬も決して侮れない実力の持ち主ばかり。様々な切り口のデータを駆使し、3頭の穴候補を導き出した。
「同年の古馬GⅠ、GⅡ勝ち馬」が複勝率68.8% チャックネイト
まず1頭目はチャックネイト。年初のGⅡ・AJCCを勝って天皇賞(春)に駒を進めたが14着に敗れ、その後は函館記念6着からここへ続戦してくる。 冒頭に触れた通り札幌記念は定量戦だ。古馬重賞の定量戦は(GⅠ以外で)阪神Cとここだけという特殊条件。GⅠやGⅡをいくつ勝っていようが、賞金をいくら持っていようが斤量が加増されない。つまり実績馬に優しいレース条件といえる。 それはデータにもしっかり表れていて、過去10年の当レースでは「同年古馬GⅠかGⅡの勝ち馬」が【3-5-3-5】複勝率68.8%、複回収率141%とよく走る。直近で格の高いレースを勝った馬は信頼できる。まずは同年の実績を素直に受け取るのが基本のアプローチだ。該当馬はプログノーシスとチャックネイトの2頭だが、さすがに前者を「穴候補」と呼ぶわけにはいくまい。 チャックネイトの前走はトップハンデタイの58.5kgを背負っての出走。最終週でも函館芝は内有利のトラックバイアスがあり、15番枠では競馬が難しかった。斤量面が好転しつつ人気も落とすだろう今回こそ絶好の買い時だ。
「中山巧者」が穴を開ける! ドゥラエレーデ
2頭目はドゥラエレーデ。芝とダート、国内と海外を縦横無尽に駆け巡り「二刀流」とも「変態ローテ」(念のため書くが褒め言葉である)とも言われる唯一無二の足跡を刻んできた。エルムS2着から中1週で札幌記念。この発想はなかった。 札幌記念の好走馬を振り返ると「中山巧者」の活躍が散見される。2度穴を開けたペルシアンナイトは皐月賞2着馬、17年に6番人気で勝ったサクラアンプルールはそれまでJRAでの3勝全てが中山、同年に中山記念2着という典型的な中山巧者だった。 データで言えば「中山芝GⅠで連対経験のある馬」が過去10年で【1-4-1-7】複勝率46.2%、複回収率142%の好成績。ここがひとつヒントになる。なお余談……でもないが、同じ右回り1周の芝2000mでも「大阪杯の好走馬」はあまり走らないので要注意。同年大阪杯5着内の馬は【1-0-2-6】単回収率51%、複回収率47%と人気に応えられていない。馬場質の違いだろうか。 登録馬のうち中山芝GⅠの連対実績持ちは3頭。ジオグリフは大阪杯5着がデータ的に逆効果で、トップナイフは手術明けの前走が内容的に目立たなかった。 ドゥラエレーデは2歳時にホープフルSで中山芝GⅠ勝ち。「ダートがベター」と思っている方も多いだろうが、それはちょっと早計かもしれない。昨年の宝塚記念は1000m通過58.9秒のハイペースで追い込み勢が上位に台頭したレースだが、ドゥラエレーデは2番手追走から1.1秒差の10着。今回戦うボッケリーニとは0.6秒差、ジオグリフと0.4秒差で展開不利を加味すればそれほど負けていないのだ。 続くセントライト記念も1000m通過60.1秒。これは前半1000mのほとんどが上り坂かコーナーで構成される中山芝2200mとしてはかなりのハイペースで、やはり展開不利に泣いての大敗だった。そもそも芝ダート問わず2200mはひとハロン長いように思う。2000mなら芝でも十分戦えるはずだ。