キンタロー。事務所退社の理由「40歳の節目。自立してみたい」2年前から話し合いの末の決断の真意と現在の心境
── 「自分の思いを実現するため」とのことでしたが、独立の理由について教えてください。 キンタロー。さん:まず、40歳の節目というのがありました。20代後半は一般企業に勤めていたのですが、そのときも30歳になる前に「今のままでいいんですか」と自分に問いかけたんです。そのとき、本当にしたいことに挑戦してない自分が嫌だと思って、芸人の世界に飛び込みました。ありがたいことにそのチャレンジは、成功体験として続けてこられたので、だからこそ40歳になる手前でもう一度、「今のままでいいんですか」と自分に問いかけました。
そこで出た答えは、「もっと成長して、変化を遂げたい」という思いでした。すごくありがたい環境に身を置かせてもらっていましたけど、挑戦したい気持ちが上回ったというのが退社の理由です。
■独立の理由「何もできない自分が怖い」 ── 具体的にはどんなことをしたいと思っていたんですか。 キンタロー。さん:自立と言いますか、独り立ちはいつかしたいと思っていました。仕事でこのままの状態をキープできる保証はどこにもないですし、いつどうなるかわからないご時世で、ひとりでなんでもできるかと考えてみると、自分は何もできないなと。
事務所に所属しているよさは、仕事の窓口となってくれて、仕事をするうえで守ってもらえることでした。それを前提に12年間、仕事をさせてもらっていたのですが、「自分でどうにかしなきゃ」というときに動けない自分ではいたくないと思ったんです。 細かいことで言うと、たとえば現場に行くにも新幹線のチケットを自分で買うとか、こういうやりとりの末にこの仕事が決まった、という過程やお金の流れもすべて自分で見てみたかった。これだけの人が関与していてひとつの仕事が成り立っているということを知って、もっと仕事の重みを感じてみたかったんです。
あとは、自分で何もできないのが怖いとも思いました。人は常に動いていて、何年も在籍してお世話になっていた人が辞めて行く姿も見てきましたし、ずっとこのままの環境で仕事を続けられるとは限りません。何があっても、揺るぎない自分でいられるような未来を目指したいと思っています。 ── 今は、仕事のことはすべて自分でしているんですか? キンタロー。さん:今月までは事務所に所属していた時にいただいた案件が多いので、現場にマネージャーも来ますし、まだ「完全にフリーになりました」という実感はないです。今まではいろんなことを事務所にしてもらっていたのですが、独立してからいただいた仕事は自分で調整していかなくてはならないので、そのふたつが混在して、ちょっと混乱するときはあります。