キンタロー。事務所退社の理由「40歳の節目。自立してみたい」2年前から話し合いの末の決断の真意と現在の心境
でも、これまで12年間も在籍していたのに、すべてがいっぺんになくなってしまうのは寂しいので、こうして徐々にスライドできているのはいいことかもしれません。先日も、地方に営業に行っていたんですが、それは独立してからいただいた案件なので、もう現場にマネージャーはいません。ふと、「もういないんだ」と思ったら別れた彼氏を惜しむような気持ちになりました。 ── 決断したのはご自身であっても、寂しさはあると。
キンタロー。さん:振った側なのに、男を失った時の感情に似ています。「このままの関係を続けていても」とふたりの未来を思って別れたけれど、やっぱり嫌いになったわけじゃないし、いないのは寂しい。やっぱり女に生まれたので、複雑な思いがあるんです。でも、それを決めたのは自分なので「いったい、どっちなんだい」って自分に突っ込んでいます。 ── たとえがわかりやすいです(笑)。独立のことはどなたかに相談していましたか。
キンタロー。さん:ものまね芸人で、先に独立をされていた山本高広さんには話を聞いてもらっていました。山本さんは、「いろいろ考えて独立することにしたけど、意外とやってみたら向いていたことに気がついた」と。あとは、ひとりになると起きやすいトラブルについてもアドバイスをいただきました。 ── 仕事の調整なども自分でしているとのことですが、具体的にどんなことが変わりましたか。 キンタロー。さん:仕事の案件のやりとりも自分でさせてもらっているんですけど、メールの受信と送信がごっちゃになってしまって、読み落としや返信の漏れが結構出てきてしまって。いくら2年前から辞めるということを伝えていたとしても、周りの人には言えないですし、その準備ができるわけでもありません。独立して初めて自分でいろいろやってみながら、手探りで調整している感じです。
── 大変さはもちろんあると思いますが、独立してよかったことはなんですか。 キンタロー。さん:私は、小さなことでクヨクヨ悩みやすい性格なんです。でも、その悩みが、割と正常範囲のレベルになったように思います。仕事について考えることが多すぎて、取り止めもない悩みに時間を使わなくなったのは、精神的にはとてもいいです。 これまでは「この先、仕事がなくなったらどうしよう」とか、「子どもが2人いるのに、この仕事をこのまま続けていいのだろうか」というような、漠然としたことを不安に思っていたんです。でも、ひとりで仕事をすることで、悩む内容がもっと現実的で、具体的に解決していかねばならないことに変わりました。