涙のカミングアウトから3カ月。AAA與真司郎が思う“自分らしく”生きるために必要なこと
苦しんでいる当事者はあなたの周りにも必ずいる
――これまで日本ではLGBTQ+の方々とオープンに話す機会はなかったのですか? ゲイであることをオープンにしているスタッフもいましたが、僕はバレるのが怖かったのでその方にも言えませんでした。 「周りに当事者がいません」と言われることが多いのですが、カミングアウトできない世の中だから見えていないだけで、誰にも言えずに苦しんでいる人がいます。ストレートの方々がそのことを少し意識してくれるだけでも、僕たちは救われます。 具体的な例を挙げると、同性愛者の映画を観たときに「気持ち悪かった」と言われてしまっては、当事者からすると「この人には打ち明けることができないな」と心を閉ざしてしまいます。でも性的指向によって人をジャッジしない感想が聞けたら、当事者は「この人なら話しても大丈夫かも」と思える瞬間があるかもしれません。こうした瞬間が増えればカミングアウトしやすくなるし、いずれはカミングアウトというカタチを取らなくても大丈夫な社会になるんじゃないかな。 LGBTQ+は、左利きやAB型と同じくらいの割合でいるといわれています。だからいるのが普通なんです! いつか「與真司郎のカミングアウトは大げさだったよね」と笑い話になる日がくるといいですね。
トライ&エラーを繰り返して見つける自分らしさ
――世の中には「自分らしく」という言葉が溢れていますが、自分らしさって何だろう?と悩んでいる方もいると思います。どのような状態であることが自分らしくあることだと考えますか? 自分の気持ちに正直でいること。今はSNSが盛んで便利ですけど、要らない情報まで入ってきてしまいますよね。人と比べてしまって自分を見失うことが多い時代です。だからこそ、何をしたら自分が幸せなのかを常に追い求める。僕もいまだに「自分は何をしたいの?」と立ち止まることがあります。そういうときは、運動をしてみたりメディテーションしてみたりして、いったん頭をクリアにする。それを繰り返しています。 あとは、興味のあることにトライすればいいと思います。自分の軸を持つためには、まず挑戦してみないとわからないですから。これは人に対しても同じで、誰といたら幸せなのか、誰といると成長できるのか。それを追い求めることも必要です。 100人いて99人が自分と違う方向を見ていても、自分が指を差す方へと進む――。今改めてその気持ちが大切だと気づきました。人の意見に耳を傾けながらも、最終決断を下すのは自分なんです。カミングアウトしてからは特にそう思います。 ――今年は独立もされたようですし、変化の大きな年ですね。 そうなんです。今慣れている環境を変えて、ゼロからスタートするのは大変ですし、歳を重ねるほど怖さも増してきます。でも自分が動かないと何も変わらないので再スタートを切りました。 僕の場合AAAのメンバーもいるので、当時はメンバーの姿を見て自分の方向を定めていたこともあったんです。でも今はそれぞれやっていることが違うので「自分らしく生きていこう!」と心が軽くなりました。 自分の気持ちに正直に、何をしたら幸せだと思えるのか、誰といたら心地よく過ごせるのか。常にそれらを選択の軸にする。もし間違った選択をしてしまっても、失敗から学べることはたくさんありますからね。トライ&エラーを繰り返すなかで自分らしさを見つけられるのだと思います。