「東海道本線の行き止まり」に行ってみた 乗車時間6分のにぎわう支線 100年変わらない“役割”も
都市近郊路線のような盛況ぶり
出発すると車窓の左右に大垣車両区が見えます。車庫群が切れると、養老鉄道と立体交差。次いで抗瀬川を渡ると田園風景になるなど、目まぐるしく変化します。さらに東海環状自動車道、岐大バイパスの高架をくぐったところが南荒尾信号場で、ここから単線が分岐して美濃赤坂支線となります。美濃赤坂線5.0kmのうち3.1kmはこの東海道本線との共用区間ですから、ここからが本番です。 分岐してすぐ荒尾駅に到着。カーブの途中に駅があります。終点までわずか1.6kmの距離なのですが、2人も乗車しました。 荒尾駅を出ると住宅地が増えていき、しばらく直線を行くと線路が車窓右側に分岐。JR貨物のEF510形電気機関車の姿を横目に、美濃赤坂駅の広大な構内に入っていきます。長大な貨物用ホームには屋根もかかっており、かつての盛況を感じられますが、現在は使われていません。 駅到着は6時35分。乗車時間はわずか6分でした。美濃赤坂駅舎は木造でレトロな雰囲気で、構内には赤レンガの小屋が現存しています。また、周辺はかつて中山道赤坂本陣として栄えた場所で、本陣跡や徳川将軍家専用の休泊設備である「お茶屋屋敷跡」もあります。ほかにも、2億5千万年前の化石が大量に産出されることから、「日本古生物学発祥の地」として、貴重な化石や地質を見学できる金生山化石館も近いです。 折り返しの普通列車 大垣行きは6時39分発ですが、早朝ながら30人ほどが乗車し、荒尾駅でさらに5人を加えました。平日で19往復、日中は3時間以上 列車が走らない時間帯もありますが、7時台には最短20分間隔で3本も運行され、都市近郊路線を感じさせる盛況でした。 ※一部修正しました(11月13日11時25分)。
安藤昌季(乗りものライター)