「30歳の壁」を意識する人。周囲にいますか?――文筆家・川島如恵留(Travis Japan)
アーティストそして俳優として、活躍のフィールドを広げ続けている川島如恵留さんが、GINGER WEBで新連載をスタート。半年後に30歳を迎える今だからわかったこと、気付いたこと、そして様々な出来事についての自らの考察をつづります。【連載/のえるの心にルビをふる vol.1≪30歳の選択≫】
私物ランドセルは小さくなっていた
貴方の周りにもいるだろうか、 「30の壁」を意識する人が。 30歳になる事を前向きに捉える人、悲観的に捉える人、特に意識していない人、この世には様々な人間がいる。 どれも悪い事ではなく、色んな価値観があって良いなと思う一方で、それぞれがどうしてその様に捉えているかにとても興味がある自分がいる。 大半の「30歳」はキャリアや家庭の事で日々目紛しい生活を送っているイメージがあり、自身の時間を切り詰めながら生きている…と勝手に想像しているのだが、これは偏見なのだろうか。 楽しければ、満足していればそれで良いとは思うのだが、短期的な喜びも大事にした上で、長い目で見た時に「あの時やっておけば…」と後悔せずに生きられたらより良い人生になるのでは無いかとも思う。 かく言う私も、半年後には30になる身だから意識せずにはいられず、30になるのが楽しみだと公言している程30という数字に夢を見ている。 「カッコいい30歳」が周りに沢山いるからだ。 そんな理想の「30歳」になれるのではないかと自分を重ね、きっとこの1年で目覚ましい成長を遂げられる筈だ、とワクワクしてさえいる。 しかし、30歳まで半年となった今、気付いてしまったのだ。 30になったからカッコよくなったのでは無く、カッコいいまま30になっている人が多いという事に。 気が付かなかった訳では無く、気付かないフリをしていたのだ。こんなに頑張っているのだから、きっと何処かで報われる筈だという甘えの様な願いを込めて。 まぁ、それでも願わずにはいられないのだ。やりたい事や叶えたい事の為に時間を切り詰めて生きているのだから。