大谷翔平、移籍後初のサヨナラ打「明日にもつながる素晴らしい瞬間」冷静に次戦見据える第一声
<ドジャース3-2レッズ>◇19日(日本時間20日)◇ドジャースタジアム 【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)19日(日本時間20日)=久保賢吾】日曜の「SHO TIME」を劇的な幕切れで締めた。ドジャース大谷翔平投手(29)が、移籍後初のサヨナラ打を放ち、チームを3連勝へと導いた。サヨナラ打はエンゼルス時代の20年9月4日(同5日)のアストロズ戦以来2度目。マルチ安打で打率を3割5分3厘に上げ、首位打者争いでトップに再浮上。チームは貯金を今季最多の15とした。 ◇ ◇ ◇ 大谷は、二塁ベース付近でサヨナラ勝ちに沸くチームメートから歓喜のウオーターシャワーを全身で浴びた。T・ヘルナンデスからは定番の“ヒマワリの種シャワー”ではなく、バケツに入った水を頭からかけられ、祝福された。スタジアム全体が移籍後初のサヨナラ打の興奮冷めやらぬ中、ロッカールームから現れた大谷の第一声は、冷静に次戦へ向けた言葉だった。 「ああいう状況で打てたことが次の打席にもつながりますし、明日にもつながると思うので、素晴らしい瞬間だったと思います」 投手、打者の二刀流で野球界の新時代を切り開く。一球一打に集中し、追い求めるのはチームの勝利。同点で迎えたタイブレークの延長10回2死一、二塁では「長打ではなくて、単打をしっかりと打つスタイルというか、そういうバッティングだったので、いい結果になって良かったです」とコンタクトに重点を置き、痛烈なライナーで右翼へはじき返した。 投手の視点も持ち合わせながら、打席ではストライクゾーンの確認を最重要視し、自分のスイングを心がけた。「ゾーンの確認だけしないといけないので、毎打席どういう状況でもそれだけはやってますし、それができていればいい結果につながる」。初球の低めの速球は見逃し、3球目、5球目の難しい球はファウルで逃れ、6球目の速球を完璧に捉えた。 16日(同17日)のレッズ戦では、大谷のボブルヘッドが4万人のファンに配布され、17日(同18日)には、ロサンゼルス市議会の決議で5月17日が同市の「ショウヘイ・オオタニデー」に決まった。「特別な週末だったかなと思います。ボブルヘッドデーは打てなかったですけど、それ以降しっかり打ちたいなと思っていたので、今日いい形で打てて良かった」。首位打者争いでトップに再浮上し、“大谷ウイーク”を劇的な一打で締めくくった。