<春風を待つ―センバツ・宇治山田商>80歳野球部OBも感動 初戦、スタンド観戦「強くなった」 /三重
◇「予習」した校歌歌い、夢かなう センバツで宇治山田商は21日の初戦で、東海大福岡(福岡)に5―4で競り勝った。16年ぶりの勝利を待ちわびた結果、歓喜に沸いたスタンドに1962年卒業の野球部OB、加藤隆生さん(80)の姿もあった。加藤さんは試合前夜、準備をして甲子園に臨んだ。【原諒馬】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 加藤さんにとって甲子園は、「たどり着けなかった夢のような場所」。宇治山田商が甲子園初出場を果たしたのは、1978年夏。卒業後も後輩の活躍を追い続けている。 昨秋の東海大会2回戦は会場で観戦した。中京(岐阜)に勝利すると、「センバツに行けるかもしれない」と期待が湧いた。同じ頃にあった同窓会で、同級生に「もし、選ばれたら現地で観戦しましょう」と呼びかけた。 試合前夜、なんとなく予感するものがあった加藤さんは、自宅に眠らせていた高校のアルバムを引っ張り出した。載っていた校歌の歌詞を「予習」して、翌日に備えた。 試合は六回表、加藤一路(2年)が勝ち越し打を放つ粘り強さに「強くなったな、山商」と感動したという。泉亮汰(3年)が邪飛を捕球して試合が終了した瞬間、一緒に観戦した同級生の富田利也さん(81)と「捕った」と叫んで抱き合った。校歌を歌い、「一つの夢がかなった」と喜んだ。 次戦は大会第7日(24日)第3試合(午後2時開始予定)で中央学院(千葉)と対戦する。 〔三重版〕