凍結資産活用、国際法上は可能 浜本正太郎京都大学大学院教授 G7・インタビュー
―ロシアの凍結資産活用を「合法」とする根拠はどこにあるのか。 ロシアのウクライナに対する侵略は、国連総会決議によって違法行為を疑う余地はほぼない。直接ロシアから侵略されていない第三国が対抗措置を行うことは議論があるが、私たちはできると考えている。侵略という極めて重大な違法行為は、国際社会全体に対する違法行為にもなるという考え方は以前からある。 【地図で見る】ウクライナ戦況マップ ―実現性はあるのか。 没収した財産を管理するためにシステムを用意するのはそれなりに時間がかかるが、没収自体は技術的に簡単な話だ。措置を取ることでかえってロシアの態度を硬化させ、紛争の処理を遠ざけてしまうことはもちろんあり得る。これは対抗措置に付き物の問題だ。 ―G7での議論の焦点は。 私たちはあくまで国際法上、合法であると言っている。政策的に望ましくないからやらないというオプションは当然あってしかるべきだ。マイナスが一番少なくなるバランスをどう判断するかという政策判断になると思う。 ―乱用への懸念は。 第三国の対抗措置を認めることには当然乱用の恐れがあり、国際秩序が大混乱に陥るのでやらない方がいいという意見も非常にもっともだ。最終的には国連総会において認定される必要があると思う。国際的な枠組みをつくって接収した財産を管理することが前提と考えている。