子どもが算数を好きになる「大人の関わり方」とは? 教育者・川島慶×脳科学者・瀧靖之対談
川島先生:ありがとうございます。私がこだわったのは、ビジュアルでも見せること。たとえば、単位に関しては表紙の裏に「単位大図鑑」がありますが、ホチキスの芯や1円玉、はがきの実物大写真を使って、視覚で「1cmの10倍が10㎝になる」といった量感を関連付けて、生活の尺度になるようなページを入れました。桁に関しても、子どもは「枚数が多い方がすごい」という感覚があると思うので、そうではなくて「1円玉32枚よりも10円を使うとこんなに便利でしょう」、という10の“桁の威力”に対する納得が得られるような見せ方にはこだわりました。 あとは、数列などの部分でも、あえてすべては書かないこと。その先は自分で学んで感動してもらいたいから、高校から学ぶ概念で敢えて触れていない部分はあります。 瀧先生:図鑑の概念が拡張されました。本当に想像以上でした。これを小さいうちに見て遊んでおいたら、算数好きな子が増えると思うし、私が小さい頃に読んでいたら、今頃は数学の道に進んでいたかもしれません(笑)。
nobico(のびこ)編集部