子どもが算数を好きになる「大人の関わり方」とは? 教育者・川島慶×脳科学者・瀧靖之対談
何かにハマっている大人が身近にいると、人生が楽しくなる
――小学生だと、まだ自分で学習の管理ができないので、やり方に気を付けないと、どうしても「親がさせている感」がでてしまいますよね。子どもの関心ややる気を親が導くためのコツはありますか? 瀧先生:そうですね。わが家の場合、私は公民が好きだったので、息子には「これがわかると人生が楽しくなるよ!」と小さい時から一緒にニュースを見ながら公民の面白さを逐一語ってきたので、息子は日本史と公民が大好きになりました。 川島先生:いかに楽しいかを周りの大人が教えられるかってすごく大事ですよね。私も小さい頃、祖父や親戚が囲碁やパズルを楽しそうにやっていたのを見ていた記憶があります。祖父には手加減されずコテンパンにやられましたけど(笑)。 瀧先生:何かにハマっている大人が身近にいると、人生が楽しくなりますよね。その人の好きという熱量やパワーの模倣は好奇心を養う上でもとても大事ですから。川島先生とお話していると、「算数が好き」という熱量を感じるのでとても楽しいです。 川島先生:「算数っておもしろいぞ!」と熱量が強い人から学ぶと、より好きになりますよね。 瀧先生:そうですね。どんなことでも、身近な大人が好きになってその姿を見せれば子どもも好きになる。図鑑は人生を広げる最大のツールなので、親子で楽しみましょう。
あそべる算数図鑑は中学受験の素地になる!
――瀧先生は子どもの頃、算数は好きでしたか? 瀧先生:実は私、高校まであまり算数や数学に興味がなかったんです。アートや自然界の造形美は極限までつきつめるくらい好きだったけれど、算数はテストで困らない程度にやっていたという感じでして。川島先生のように算数への好奇心を持つきっかけが幼少期になかったんですね。ただ、息子の中学受験を機に、算数の面白さに気づいてどっぷりハマりました。そういう視点で見ると、この図鑑は、中学受験の学びにつながることがたくさん書かれているので、幼少期に読んでおくとすごくいいのではと興味深く拝見しておりました。 川島先生:中学受験を意識して作ったわけではなかったのですが、算数から自然と派生する本質的な部分を扱ったので、結果的にはその応用である中学受験にも通じる部分があるのかもしれませんね。ちなみに先生が気になったページはどのあたりですか? 瀧先生:展開図や影のページなんかはまさに中学受験のエッセンスですよね。これを3歳からしっかり見ておいたら大好きになりますよ。あとは三角数とかフィボナッチ数列なんて、まさに中学受験で出てくるので、受験勉強を始める前になんとなく知っていると、まさに「流暢性効果」になりますよね。