“無料でできるはず”の航空券のキャンセル時の注意点 往路と復路の航空会社が違うと「往路は無料」でも「復路は規定の料金がかかる」ケースも
さわやかな気候とともに、秋の行楽シーズンがやってきた。とはいえ気がかりなのは近年増加中の自然災害ほか“のっぴきならない事情”ができたときのこと。もしもに備えて「キャンセルの仕方」を知っておこう。 【表】損しないためにも予約前にチェックしておきたい7項目
今年8月、夏休みに家族で沖縄旅行を計画していた都内在住の主婦・Aさん(52才)は「天候によるキャンセルで大損した」と嘆く。 「台風の影響か大雨が続いていて、飛行機が飛ぶかどうか危うい状況でした。運航したとしても、行き先は大雨。まったく楽しめそうにないので、キャンセルを考えたんです。 航空券と宿泊がパックの予約をしていたので、予約サイトに問い合わせたのですが全然連絡がとれず、やっとつながったと思ったら、飛行機は動いているので、いまキャンセルしても全額支払う必要があると言われて……。支払うくらいなら行こうかとも思ったのですが、相変わらず大雨だったので、結局直前でキャンセルしました。せっかくの夏休みの計画が台無しです」 台風に豪雨、突然の落雷などで旅行の予定変更を余儀なくされた経験のある人は少なくないだろう。 頭を抱えるのはやはり「キャンセル料が発生するかどうか」。悪天候が見込まれる中でなるべく損せずに旅行計画をリカバリーするには、どうすればいいのか。
飛行機はキャンセル前に問い合わせを
旅行ジャーナリストの村田和子さんが解説する。 「飛行機の運航は各社とも状況を見ながら判断するため、搭乗直前に欠航になることも多くあります。また出発はしても引き返したり、別の空港に着陸したりする可能性がある“条件便”になることも。台風や機材繰りの問題など、あらかじめ影響が予想される場合は、わかった時点で早めにサイトで告知されることもあります。いずれの場合もチケットの種類にかかわらず無料でキャンセルや便の変更が可能です。天候に不安がある場合は、航空会社のサイトで離発着空港や搭乗予定の便について確認を」
安さを重視して航空券の往路と復路を別々の航空会社で予約するのは、キャンセルの可能性を考えると危険だ。 「往路を欠航や条件便などで無料キャンセルした場合、復路も同じ航空会社なら合わせて対応できます。しかし航空会社が別々だと、往復の欠航がひもづかず、それぞれ規定のキャンセル料がかかります」(村田さん・以下同) 同じ航空会社の航空券でも値段が異なるのは、変更や払い戻しなどの条件が違うから。一般に安い航空券は早期から高いキャンセル料がかかり、便の変更などはできないなど縛りがある。 「キャンセル料がどれくらいで、いつから発生するのかも確認を。例えば、JALのスペシャルセイバーは、搭乗55日前までならキャンセル料は5%、54日前から出発前までは50%となり、大きく変わります」 新幹線でも、今年の夏は運休が相次いだ。運休が発表されれば当然キャンセル料は発生しないが、そうでない場合には払い戻し料金(手数料)が発生する。しかし1回までなら変更がきくため、旅行のスケジュールに調整の余地があるなら、変更も視野に入れてみよう。