“本気マウス”に傑作キーボードの改良、ラピトリ対応まで ロジクールの最新デバイスに触れてみた
話題のラピッドトリガーに対応した「PRO X TKL RAPID」
ロジクールの新作デバイスの中で最も注目を集めているのが「PRO X TKL RAPID」(2万9800円)だ。ここ数年でゲーミングキーボードに新たな風を巻き起こしている機能が「ラピッドトリガー」で、競合他社や新興メーカーでも積極的に同機能の搭載を売りにしている。 ロジクールGシリーズが待望のラピットトリガーが搭載となったことで、従来モデルからの買い替えなどを検討している人は多いだろう。 ラピッドトリガーは特にゲームプレイではFPSやTPSでの効果が大きい。キーがどこまで押し込まれたかで入力を判断する「アクチュエーションポイント」は多くのキーボードで以前より対応しているのだが、これに加え「キー入力が解除されるタイミング」を、より早く設定できるのがラピッドトリガーの強みだ。 例えば、特定のキーを押してキャラクターを操作するゲームを想像すると分かりやすい。 押し続けている間は進み続けるのだが、敵の姿が見えた場合はすぐに止まって一度隠れたり、来た道を戻りたい。だが、従来のキーボードではキー入力をやめてもすぐに入力が解除されるわけではないので、想定した位置よりもわずかに前にキャラクターが進んでしまう。 これがラピッドトリガーであれば「キー入力をやめた瞬間」に入力が解除されるため、ピタッとその地点でキャラクターを止めたり、次の操作のために入力した他のキーの操作が受け付けられる。 フレーム単位やピクセル単位でシビアなキャラクター操作が求められる競技性の高いゲームでは、ラピッドトリガーがあるかないかで勝てるチャンスが大きく変わってくる。 PRO X TKL RAPIDのアクチュエーションポイントは0.1mm単位で0.1~4.0mm、ラピッドトリガーは0.1~2.0mmで調整可能で、それぞれかなり浅い設定にすればキーを押すというより“触れる”感覚で次々とキー入力を行っていけるのは、スムーズかつシビアなゲーム操作を行いたい場合に重宝する。 また、ラピッドトリガー以外に「最後に入力されたキーの入力を最優先とする」機能である「KEYPRIORITY」にも対応している。 これは他のキーの入力中に別のキーを入力した場合、後から入力したキーの動作を優先する機能で、例えば「左に移動中、右に移動するキーを入力すると右への移動が始まる」「右に移動するキーを離せば即座に左への移動が再開される」ため、ラピッドトリガーと合わせ俊敏なゲーム操作との相性は抜群だ。 これらの新機能に対応したことで、PRO X TKL RAPIDはeスポーツシーンなど競技性の高いゲームに同社のラインアップの中で最も適したキーボードになったといえる。 なお、キースイッチが磁気スイッチに変わったことで、従来モデルからキータッチが変わっていないか心配といった声もあると思うが、これについても心配はいらない。深めのキーストロークでも途中でキーがぶれるような不快感はなく、スコスコと快適に入力を行うことができるため、ゲーム以外でも快適に利用することが可能だ。