「一度でも気の抜けたショットをすると、体が覚えて癖になる」スウィングを“サボる”ことの危険性を語る【“甦る伝説”杉原輝雄の箴言集⑪】
不調になる前の予防法
ーー「不調になる時はパターンがある。それをつかんでおけば予防になるし、不調になった時も直しやすいんや」 ボクの好不調のカギを握るポイントは二つや。すなわち、「ショットでは、トップにおけるグリップの位置」と「パットではテークバックの方向」の二つ。ショットでは疲れてくると、トップが低くなってくるし、パットではヘッドを引く時、アウトサイドに引くようになりますんや。これがボクの不調になるパターンで、調子悪うなったら、この二つをチェックするんです。 しかし、このチェックは本当は不調の時だけやなく、好調な時も必要。というのも不調(スランプ)になるんは失敗の繰り返しによる自信喪失だけやなく、自信過剰からでも起こりうるからです。 長い経験で分かったことは、好調と不調は紙一重やということです。ショットでも、好調な時はそれこそそっぽを向いても、軸が多少狂って打っても当たります。しかし、そのまま当たるにまかせて打っていると、“狂い”はだんだんとひどくなって、気づいた時には重症やいうケースだってあるわけです。自信を持ちすぎて、スランプになることを防ぐためには先程も言ったように、自分のチェックポイントを、何球かに1球、確認しながら打つことです。 ボクの場合でいうと、何球か打ってトップの位置を自分でチェックする。または試合会場の練習場で、仲間のプロに診てもらったりします。こうすれば調子の下降期でも、重症になる前にくいとめることだってできるんです。 調子にまかせて、安易に打っていくと長い間についた悪癖はなかなかとれなくなっていきます。急に成績が下がって復活できない人はこの悪癖に至る潜伏期間が長くて、重症になった人やないかとボクは思います。 文/古川正則(ゴルフダイジェスト特別編集委員)
【関連記事】
- 「天性の勝負師はいない。勝負師はつくられるもんや」勝負強さは“上手” “下手” とは別物?【“甦る伝説”杉原輝雄の箴言集⑩】
- 「自分を手堅いゴルファーとは思ったことはないんや。積極性こそ本領やと思ってます」“マムシの杉原”の裏には積極的な攻めの姿勢があった【“甦る伝説”杉原輝雄の箴言集⑨】
- “飛ばし屋”は要注意? 「見栄を捨てた時から、本当の自分のゴルフが見えてくるんや」【“甦る伝説”杉原輝雄の箴言集⑧】
- ビギナーのための「雨ゴルフ」攻略。打ちっ放しで練習できる対策とは?
- アベレージゴルファーがスコアを伸ばせるアイアンとは? 【180人のパー3のティーショットを定点調査。ミスの傾向から考えたアイアン選び】