コモ湖のライフスタイルと、ヴィラの伝統的サービスの文化を継承する〈パッサラックア〉!
アルプスの麓、スイスとの国境に近い北イタリアのコモ湖。二股に分かれた逆Y字形の湖は、古くは王侯貴族、今はセレブリティから愛される避暑の社交場。〈パッサラックア〉は、そんなコモ湖のくつろいだライフスタイルと、ヴィラにおける伝統的サービスの文化を継承しているリゾートだ。
ホテルが位置するのは、コモ湖の西岸(ジョージ・クルーニーの邸宅も同じく西岸)。1787年に建築家カルロ・フェリーチェ・ソアーヴェによって、アンドレア・ルチーニ・パッサラックア伯爵の邸宅として建てられた。ここを訪ねた顔ぶれには、ナポレオン・ボナパルトや英国首相チャーチルなど、歴史上の人物も。その後、コモ湖で人気の〈グランドホテル トレメッツォ〉のオーナーで、コモ湖出身のデ・サンティス家が購入。修復に3年の月日をかけ、一昨年開業。すると、瞬く間に評判が評判を呼び、“世界のベストホテル50”の1位に輝いた。 美しい庭園が自慢の敷地は、専用桟橋のあるコモ湖へと段々と下りていく造り。パラッツ、ヴィラ、湖近くにカサ・アル・ラーゴ、3つの宿泊棟が配置されている。そのうち、ベストポジションはヴィラ。高い位置から見下ろすコモ湖と庭園が織り成す景色は、かの作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニにして「あぁ愛しき場所よ、私はあなたを見つけた!」と感激させ、滞在中に名作オペラ『夢遊病の女』を書きあげたとの逸話が残るほど。繊細な漆喰細工を施し、20種以上の大理石を使った客室に、デ・サンティス家が蒐集した美術品やアンティークが惜しげもなく飾られている。 ヴィラのコンセプトは “ヴィレッジャトゥーラ”。これはルネッサンス期の貴族が「土地ではなく魂を耕す」ために休暇を田園で過ごしたという習慣。確かにこの絶景、心を豊かに耕せそうだ。
ダイニングの“サラ・デッラ・ダメ”。優雅な化粧漆喰の天井、テーブルには生花。細部まで美意識が行き届く。ちなみにプールサイドのダイニングは〈ラ・ダブル・ジェイ〉がインテリアを担当。