【独自】石破首相を悩ませる疾患とは 遅刻や居眠りの背景に… 「外遊前に診断が」
“眠くて眠くてしょうがない”
官邸関係者が続ける。 「首相は先月の首班指名選挙で、投票の最中に眠りこける様子がテレビ中継に映し出され、“やる気があるのか”と批判されました。石破さんは周囲に“朝がまるでダメ。眠くて眠くてしょうがない”と話していた。11月の外遊前に2度、医者の診察を受けていますが、そこで〈不眠症〉に加え〈睡眠時無呼吸症候群〉との診断が出たといわれています」 もちろん居眠りや遅刻は褒められたことではないが、疾患が背景にあるということは知っておくべきだろう。 朝がダメなのは、今月3日、午前6時から始まる予定だった勉強会に遅刻したことでも、証明済み。この一件については、青木一彦官房副長官が会見で「首相は多忙を極める毎日を送っているが、健康状態になんら問題はないと承知している」と述べている。
運動不足やカロリーの取り過ぎ
実際はそうではないようだが、そもそも睡眠時無呼吸症候群とはいかなる病なのか。 「寝ている間に気道がふさがるなどして大きないびきをかき、呼吸が止まり、体内の酸素量が低下する疾患です」 そう解説するのは、『その睡眠が寿命を縮める』の著者で、国際ハートスリープクリニックつくば院長の末松義弘医師である。 「加齢で喉の筋力が弱まるので、男性は30代から、女性は40~50代を境に急に多くなる。運動不足やカロリーの取り過ぎ、アルコールの常飲のような肥満になりやすい生活習慣は、無呼吸症候群につながります。また、首が短い、首が太い、顎が小さいといった特徴のある人もかかりやすいですね」
場合によっては心停止
現在、推定600万~900万人もの潜在患者がいるとみられている。症状の軽重は、 「1時間あたりの無呼吸、低呼吸の回数で分類します。0~5回未満なら正常、5~15回未満なら軽症、15~30回未満が中等症、そして30回以上が重症となります」 具体的に、どのような危険があるのか。 「脳が低酸素状態にさらされるため、朝起きたときに頭痛がする。また、とにかく眠りが浅いので、日中にウトウトして、車の運転中に寝てしまうなんてこともあります。仕事の集中力が落ちるのはもちろんですし、正常な判断を下せないこともあるでしょう」 日常生活に支障をきたすばかりでなく、睡眠中に最悪の事態も起こりかねない。 「低酸素の状態で、全身にたくさんの酸素を送ろうとすると、血圧が急上昇してしまい、緊急性の高い200~300に達することも珍しくありません。そこで心筋梗塞や脳梗塞、場合によっては突然、心停止してしまうこともあるのです」 完治は難しいが、対症療法で症状をやわらげることはできる。 「治療としては、CPAP(シーパップ)といって、睡眠時に鼻にマスクを着けて機械で空気を送るのが第一ですね。現在、日本では60万人くらいがこれをやっています。“一生着けるんですか?”と抵抗感を覚える人もいますが、私は“メガネと同じですよ”と説明しています。効果はすぐに出る。とにかく、気付いたらすぐに治療をするのが大切です」 ちなみに、一般論として大事な会議中に寝てしまうのは、 「中等症から重症に近いと思います」 というから、宰相の体調を案じないわけにはいかないのだ。