“いい音”って数値化できるの? イヤホンのスペックの読み方
周波数帯域
再生可能な周波数の範囲を示します。一般的に人の耳が聴こえる周波数の範囲は、20Hz(ヘルツ)~20kHz(キロヘルツ)くらいと言われていますが、ピークは20代までで、加齢と共に徐々に高域の聴力が落ちていきます。 ちなみに、私などは昔から耳が悪く、こないだチェックしたら上は12kHzくらいまでしか聴こえてなくて愕然としました。長年大音量を聴き続けているレコーディングエンジニアやミュージシャンにも、聴力が落ちている方は多いです。イヤホンで恒常的に大音量を聴いていると、聴力はどんどん悪くなっていきます。耳は消耗品なので大事にしましょう。 たいていのイヤホンは20Hz~20kHzくらいのスペックはクリアしていますが、なかには上が40kHzくらいまで伸びている高性能な製品もあります。「20kHzまでしか聴こえないんでしょ?」と思いきやさにあらず。ここで大事なのがハイレゾ音源などに含まれている高域の倍音なんですね。 音というのは基音以外にもさまざまな周波数の複合音が含まれていて、オクターブ上単位の倍音などが複雑に絡み合って構成されています。倍音についてはこの動画などを参照してみてください。 CDは44.1kHz/16ビットという情報量で記録されたメディアですが、ハイレゾは96kHz/24ビットなどのさらに大きな情報量で記録されています。ハイレゾを実際に再生すると、高域の倍音は本来聴こえないはずの40kHz以上まで伸びていますが、これをレコーディングスタジオなどのセッティングの良い環境で聴かせてもらうと、ポンコツな私の耳でさえ、なぜか「高域のきめ細かさが違う!」って感じられるわけですね。 歩きながらMP3音源を楽しむ程度ならほとんど差は感じられないでしょうけど、家でじっくりとハイレゾサウンドを楽しみたいって人であれば、特に上の周波数帯域が伸びている製品をチェックしてみる価値はあるかもしれません。