佐野恵太が侍ジャパンで初打点! 8番で意地の2安打2打点、キューバ撃破で4連勝
【台北17日=浜浦日向】国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で2連覇を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は、キューバに7―6で競り勝ち、開幕4連勝。1次リーグB組1位を確定させ、2次リーグ進出を決めた。侍ジャパン初選出の佐野恵太外野手(29)=DeNA=が、二回の先制打で今大会初打点を挙げるなど、2安打2打点で日本を国際大会23連勝に導いた。18日は1次リーグ最終戦でドミニカ共和国と戦い、21日に東京ドームでA組2位の米国との2次リーグ初戦を迎える。 憧れた舞台で、立派な侍になった。雨中の激闘。2安打2打点で日本代表を4連勝と1次リーグ突破に導いた佐野は「1打席目からチャンスで回してもらって、すぐ追い込まれてしまったけど、粘り強く打てた。雨も降る中、みんなで最後まで集中力を高めてゲームセットまでいけた」と胸を張った。 二回2死一、三塁で迎えた第1打席。力強い直球に差し込まれ追い込まれたが、4球目の内角高めの直球を力負けせずに捉え、しぶとく中前へと運んだ。日本代表での初打点をマークすると、2―1の四回も無死一塁で左前打を放ち追加点を演出。五回1死満塁の第3打席は1球目の内角高め直球を中堅後方までかっ飛ばし、中犠飛で三走を悠々と迎え入れた。 日本シリーズ終盤は不調でスタメンを外れ、日本代表合流後もチェコとの強化試合も2試合で1安打。プレミア12はオーストラリアとの第1戦は出番なく、安打は5番で起用された前日16日の台湾戦の最終打席で放った二塁打のみだった。打順を8番に落としたこの日、背番号7の意地を見せた。 日の丸を背負い戦う日を夢見てきた。明大4年時の2016年。大学日本代表選考合宿メンバーに選ばれたが、代表に名前が入ることはなかった。「雑誌の表紙にも絶対に載っていた」と、吉川(現巨人)や京田(現DeNA)ら代表選手を羨望のまなざしで見つめていた。秋のドラフト会議でも、支配下87選手中84番目の9位指名。あのときの悔しさが、佐野を日本を代表する強打者へと成長させた。 この日、試合前の円陣の声出し役に指名された佐野は「きょう(1次リーグ突破を)決めましょう。さあ行こう!!」とチームを鼓舞した。宣言通りに死闘を勝ち切り「(チームの)勢いはあるし、僕も乗せてもらったと思う。優勝できるように、チームに貢献できるようにやっていく」と力を込めた。DeNAの日本シリーズ制覇に続く世界の頂へ、佐野がバットで道を切り開く。(浜浦日向)