【プロレス大賞】特別選考委員・小橋建太が総括 ザックの大賞に納得 斉藤ブラザーズは今後に期待大
鉄人の見解は――。51回目を迎えた「東京スポーツ新聞社制定2024プロレス大賞supported byにしたんクリニック」の最優秀選手賞(MVP)は、新日本プロレスのザック・セイバーJr.(37)に決まった。選考委員会では今年も激論がかわされたが、4年連続で特別選考委員を務めた鉄人・小橋建太(57)が2024年度のプロレス大賞を総括。最優秀タッグ賞で、前代未聞の満票選出を果たした斉藤ブラザーズの今後に大きな期待をかけた。 ――MVPは予想通りザックだった 小橋 まずは選考委員の方々はしっかり試合、選手を見て選んでいるなと感じた。ザックはノアで最初に日本に来て頑張ってきたのが、花開いてよかった。最初から最後までしっかり活躍したし、MVPにふさわしい。 ――ボブ・サップ以来、史上2人目の外国人MVPに 小橋 MVPは日本人とか外国人とか関係なく、活躍した選手に贈られる賞だから、ザックがたまたま外国人だったということだけ。ファンからも高い支持を得たのは間違いなく、ザックが頑張ってきた結果が出たということだ。ファンの支持を得ることが一番難しいけど、それを得たから大きな後押しになり、背中を押してくれたからの受賞だ。 ――文句なしの受賞 小橋 ザックとは試合をしたことがないが、若い頃から知っている。非常に向上心がある選手で、体が柔らかくテクニックもあった。ここまで来られたのは、見えない努力で技術を磨いてきたから。 ――最優秀タッグの斉藤ブラザーズはMVP候補にも挙がる活躍 小橋 2人でMVPの候補に挙がるなんて、前例のないこと。常識を破ったし、タッグ賞も満票で選出された。こないだも日テレの企画でレイにチョップを教えたが、2人とも素直で、すごく向上心があって意欲を持っているし、体もある。タッグも続けてほしいが、今後はシングルプレーヤーとしての力も上げていってほしい。 ――ジュンは大みそかの代々木大会で3冠王者デイビーボーイ・スミスJr.に挑戦する 小橋 2人でやってきて、シングルでも活躍するとなるとバランスが崩れてくる可能性もある。ザ・ファンクス(ドリー&テリー兄弟)のように、崩れないこともある。今はお互いを刺激し合って、どちらかがシングルのチャンピオンになって上がっていったら、もう一人がジェラシーを感じて、バーッと上がっていくのが理想的。だから今度は斉藤ブラザーズ同士、斉藤ジュンと斉藤レイとしてMVP候補に挙がり、MVP争いをしてほしい。そうすれば面白くなる。 ――MVP候補には安齊勇馬と清宮海斗も 小橋 この2人は候補の常連にならないといけない。来年以降、ライバルが増えるだろうから、面白いプロレス界にするためにも激しい争いをしてほしい。 ――大混戦のベストバウトは辻陽太vs後藤洋央紀に 小橋 選考委員会でベテランのカメラマンが「試合を撮っていてゾクゾクした」と言っていたのが、印象に残った。冷静に見ているはずの人がそう思うんだから、すごいことだ。 ――大混戦が予想された女子プロレス大賞は、Sareeeが高い支持を得て受賞 小橋 終わってみればSareeeの年だったということ。ただ、今年の女子プロレスは活躍した人が多かったので、私がたくさん候補を挙げてしまった。 ――技能賞は格闘技で活躍する青木真也が異色の受賞 小橋 素晴らしい技術の持ち主で、技能賞にふさわしい選手。自分も初めから、リストアップしていた。新人賞はボルチン・オレッグで文句はないが、ノアの佐々木憂流迦の活躍も素晴らしかった。まだ来年以降も資格があるので、1月1日のノア日本武道館(WWE中邑真輔戦)から頑張ってほしい。
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