8得点圧倒「これくらい取れて当たり前。もっと決められる」流通経済大柏の強さの源
◆第103回全国高校サッカー選手権▽準々決勝 流通経大柏(千葉)8―0上田西(長野)(4日・フクダ電子アリーナ) 2007年度以来、2度目の制覇を目指す流通経大柏(千葉)が、上田西(長野)に8―0で大勝し、6大会ぶりの4強入りを決めた。1976年度の首都圏開催以降、準々決勝では歴代2位のゴールラッシュとなった。準決勝(11日・国立競技場)は東福岡―前橋育英、流通経大柏―東海大相模に決まった。 衝撃的な「8―0」というスコアが、流通経大柏の圧倒的な強さの証明だった。圧巻のゴールラッシュで6大会ぶりの4強進出。20年から指揮する榎本雅大監督(46)は「ちょっとできすぎたかな。乗ってきたなという感じがします」。首都圏開催以降の準々決勝では1983年度大会の清水東(9〇0)に次いで歴代2位の得点記録だった。 まずは前半13分。DFラインの裏に抜け出したFW山野がエリア内の左から右足でゴール右へ流し込んで先制弾。「入りもしっかり集中していて、いい時間で自分が取れたので勢いをつくれたかな」。自身3戦連続弾からチームのゴールショーの口火を切った。同17分にMF和田、同28分にJ2富山内定のMF亀田が得点を決めると、同37分には再び山野が頭でチーム4点目を奪った。 山野は高2の9月に発症した右太もも前の肉離れや右かかとの骨が変形するけがなどに苦しんできたが、24年9月の本格復帰を経て、今大会3戦4発。「大舞台でこんなに結果を残すのは初めて」。大会得点ランク2位タイに浮上し、笑みを浮かべた。 流通経大柏は、Jリーグの下部組織を含めた高校年代最高峰の高円宮杯U―18プレミアリーグEAST4位の強豪校だ。強さの源は、一人ひとりに植え付けられた貪欲さ。何度も相手ゴールに向かった。PKでチーム8点目を決めたMF柚木は「ハーフタイムの時にめっちゃ点を取りたいなと(思って)。これくらい取れて当たり前というモチベーションを自分たちは持っている。もっと決められるところはあった」。チーム全体の意識の高さが8得点に凝縮されていた。 3回戦で倒した大津(熊本)からも激励のビデオメッセージが届いた。「今までやってきた中で一番強かった」と鼓舞されて自信を持って臨んだ一戦で爆勝ち。これで同校が初戦突破した6大会全てで4強進出の“神話”も継続した。準決勝では東海大相模と激突。榎本監督は「彼らはずっと(優勝)と言ってきたので有言実行してくれるんじゃないかな」。17大会ぶりの全国制覇へ、この強さは本物だ。(後藤 亮太)
報知新聞社