「高速道路の二次事故」は大惨事になる可能性大…高速道路における“緊急時の3原則”とは?
TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。今回のテーマは「高速道路の二次事故」について。モータリングライターの藤田竜太さんから、高速道路での二次事故、その回避方法について伺いました。
◆高速道路の“二次事故”に要注意
高速道路の交通事故は減少傾向にありますが、そのなかにあって減っていないのが“二次事故”と呼ばれるケースです。 高速道路における二次事故は、事故や故障で路肩や本線上などに車が止まった後に後続車に追突された事故や、故障などの事情で車外に出た人が後続車にはねられる事故を指します。高速道路の車は時速100キロ近くで走行するため、接触すると大惨事になる可能性が極めて高いです。 藤田さんによると、高速道路での死亡事故のうち4件に1件は、故障や事故で駐停車中の車や人に後続車が衝突するケースです。今年5月には、首都高速道路湾岸線でワゴン車のタイヤがパンクして追い越し車線上に止まってしまい、その故障車を助けようとした別のドライバーが後続のトラックに追突されて亡くなる痛ましい事故がありました。 高速道路での二次事故は、助けようとした人までも命を落としかねません。衝突事故や故障などで自分の車を速やかに停車する必要に迫られた場合は、高速道路上で停車しないことが重要です。藤田さんは「車が動く限りは、ハザードランプをつけ、路肩を徐行してでもサービスエリアやパーキングエリアなど安全な場所まで移動するようにしましょう。もしくは、約200メートル間隔で設置されている非常駐車帯まで逃げ込んでください」と呼びかけます。
◆高速道路“緊急時の3原則”
高速道路では、たとえ路肩であっても車を止めるのは非常に危険です。万が一、高速道路で故障や事故が発生し、やむを得ず駐停車する場合は、以下の対応を取ってください。 1:ハザードランプを点滅させて、できるだけ路肩に寄せて停車。停まる際はくれぐれも急ブレーキを踏まないようにしてください。 2:停止表示機材(三角停止板)を後方に設置し、乗っていた人は全員すぐにガードレールの外などの安全な場所に避難しましょう。避難後は、車に戻ったり路上に残ったりしないようにしましょう。 3:110番道路緊急ダイヤル「#9910」に電話して、発生した故障・事故状況を伝え、指示に従いましょう。携帯電話が使えなければ、1キロごとに設置してある非常電話を使ってください。 状況によっては、車が道路上で動かなくなってしまうこともあり得ます。そうしたときの対応は、高速道路における“緊急時の3原則”に従います。 <高速道路における緊急時の3原則> ・路上に立たない ・車内に残らない ・安全な場所に避難する 車が道路上で動かなくなった場合、可能であればハザードランプを点滅させ、発煙筒を焚いて後続車に停車している車両があることを知らせましょう。その際に、後続に状況を速やかに知らせようと自らを危険にさらさないようにしてください。
◆出発前の車両点検は忘れずに
二次事故に遭わないためには、そもそも最初の事故を起こさないことが大切です。高速道路で本線に降り立っていたり、停車車両の車内にとどまっていたところを後続車に衝突されて亡くなった事故のうち25.4%は“車の故障”が原因でした。 高速道路で起きる故障のなかで一番多いのは“タイヤのパンク”と“バースト”。続いて、発電不良など電気系のトラブル、オーバーヒート、燃料切れと続きます。「エンジンオイルの不足やライトの球切れなども要注意です。このうちの大半は、高速道路に乗る前に5分ほど点検すれば防げるトラブルです」と藤田さん。二次事故を起こさない、遭わないためにも慎重に行動しましょう。