不仲の祖父の介護は勘弁!でも…想定外の二人暮らし 孫の葛藤<実録マンガの舞台裏>
現役ケアマネジャーによる人気漫画
介護職13年の現役ケアマネジャーへもが、周囲で起こるドタバタな日常をマンガにした『へもでもできるもん』。「老人性うつ」により、鳥野玉子さん(82歳)は精神科に入院。認知症の夫・巣太郎さん(83歳)は、不仲の孫・空男さんと二人暮らしになってしまいました。本当にちゃんと暮らせるのでしょうか!? この時の様子を、作者のへもに聞きました。 【マンガ】本編を読む 仲の悪いじいさんの面倒なんか見たくない…とはいえ放置もできず悩む孫
【介護の現場では――】
「じいさんの面倒なんかみたくない」――空男さんは、本心ではそう思っていました。「じいさんの食事はコンビニで弁当やパンを買ってきている」と言うものの、栄養バランスを不安視するへも。プ~ンとにおう巣太郎さんを前に「入浴や着替えができているのかも怪しい」と、介護が適切にされていないことに懸念を抱くのでした。ケアマネへもは、どう対処していくのでしょうか。
――孫が祖父母の介護をすることは、よくあるのでしょうか
介護をする人の9割以上をしめるのは妻や夫、息子や娘、息子の妻ですが、娘・息子が亡くなっているなどで孫がお世話をすることは意外とある印象です。責任感があってきちんと面倒をみようとするお孫さんもいます。
――今回のお話のように介護を担っていた人が何かの都合でできなくなり、そのほかの家族では介護がままならない場合、へもさんならどのような選択肢を提案しますか
介護を受ける人の自立度によりますね。認知症が重いなど自立度が低い場合は老人ホームや介護施設の短期入所(ショートステイ)を提案しますが、自立度が高い場合はデイサービスや訪問介護にすることもあります。
――高齢者が認知症になるのは珍しくないことではありますが、やはり家族がそうなった場合、若かろうと年をとっていようと心の負担は大きいように思います
そうですね。なかには認知症であることを受け入れられない家族もいます。いろいろとできなくなっても「前はできたのだから、またできるようになるんじゃないか」と信じたい気持ちとの葛藤があるのではないでしょうか。次第に受け入れられるようになる人もいますが、長いこと認められずにいる人もいます。 『へもでもできるもん』は、「なかまぁる」(朝日新聞社)のウェブサイトで連載中。