橋梁塗り替え時の脱塩防さびシート開発 湿布のように「いたみ」の元を除去 神戸大など
従来のシートとの違いは、貼ったシートを剥がすときに塩素イオンが除去できることだ。陰イオン交換機能を有する層状複水酸化物が含まれているため、水を含んだゲル内にさび近辺にあった塩素イオンが拡散で移動する仕組みとなっており、シートを剥がせば塩素イオンがゲルと一緒に除去できる。鋼板には亜硝酸イオンが残り防さび効果を高める。
開発したシートは製品化を検討中だが、今後は試験施工を行い、現場での使いやすさやサイズなどを決めていく。前田課長補佐は「橋のさびを防ぐ想定で開発しているが、プラントなど建築物でもニーズはありそう。広く普及してもらえたらうれしい」としている。 成果は、東北大学で開かれた土木学会全国大会第79回年次学術講演会で9月5日に口頭発表した。