Adobeの動画生成AI「Firefly Video Model」は、OpenAI・Soraと比べてどう違うのか?
これまでの動画生成AIとどう違うのか?
Adobeの動画に登場する生成物はよくできています。 事前知識なくこの動画を見ていたとしたら、紹介されたデモのショットのほとんど、あるいはすべてが、実際には完全に人工的に生成されたものだとは気づかないかもしれません。 ですが、Adobeは巧妙にも、ほとんどのクリップを最大1~2秒しか見せていないため、生成ツールの実際の性能を把握するのは困難です。 被写体の質感や説得力は高いのですが、この動画生成モデルがどの程度動きを再現しているのか、1分間にわたってどの程度リアルな出力が維持されるのかを見なければ、ほかの動画生成モデルと比べてどのくらい優れているかを判断するのは難しいと言えます。 Adobeが公開しているクリップのうち、私が見たなかで最長のものはここで紹介されている4~5秒のトナカイの動画です。 かなりリアルで、広角レンズと手持ち撮影の雰囲気が、その効果を演出しているのでしょう。 AIによる動画生成の品質において、Adobeが何らかの画期的な進歩を遂げている可能性はあります。 一方でこれらの動画は、既存の生成ツールと同じ欠点に悩まされており、時間と綿密な検証に耐えられない可能性もあります。 いずれAdobeが、もっと長時間のデモ動画を公開するか、ベータ版をリリースすれば、もう少し正確な判断ができるようになるでしょう。 *訂正(2024/09/26):初出時にAdobeのポリシーについて、「非生成AIプログラムをトレーニングする目的でAdobeがアクセスできることを示唆」といった表現がありましたが翻訳元の内容に間違いがあったため正しい情報に更新し訂正しました。 Source: Adobe, AdobeBlog, firely, HollywoodREPORTER, TheVerge, Youtube
風見隆(ガリレオ)